『相続実務のツボとコツ』

5-6 株や投資信託等の有価証券があったらどうするの?


<上場株式の取扱い>
上場株式は、証券会社や信託銀行などの金融商品取引業者等が管理をしていますので、これらの事業者へ名義書換の届出を行います。まずは事前に連絡をして、相続があった旨を連絡しましょう。相続財産に上場株式が含まれていた場合、遺産分割協議が完了するまでは、株式を相続人全員で共有している状態となります。共有状他では被相続人から相続人へ名義書換をすることができませんので、誰がどの株式を相続するかの遺産分割協議を行うことが必要です。株式名義書換請求書や株主票など、各証券会社等の所定の書類がある場合もありますので、適宜確認して進めてください。

 

【一般的に必要とされる準備書類】
①遺言書がある場合
・被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本もしくは除籍謄本又は、死亡証明書
・株式を取得する人の印鑑登録証明書
(遺言執行者が就任している場合は遺言執行者の印鑑登録証明書)
・遺言書の写し
・家庭裁判所の検認証書の写し(公正証書遺言の場合は不要)

 

②遺産分割協議の場合
・被相続人の出生から死亡までがわかる戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書の写し
・相続人全員の印鑑登録証明書

 

また、株式の相続手続きをする際、相続する人が証券口座を持っていない場合には、相続手続きの前提として証券口座の開設が必要になります。

 

<投資信託の取扱い>
投資信託とは、多数の投資家から出資された資金を、運用の専門家が株式や債券あるいは不動産などに投資して、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品のことをいいます。投資信託の利益を受け取る権利のことを受益権といいますが、投資信託の相続は、正確にはこの受益権を相続するこ
とを指しています。なお、相続財産に投資信託の受益権が含まれていた場合も、基本的には上場株式の際の手続きとほぼ同様です。被相続人の投資信託口座から、相続人の投資信託口座へ移管する流れとなります。各証券会社等の所定の書類など必要額の確認と併せて、まずは連絡することから進めていきましょう。

 

<国債の取扱い>
国債とは、国が発行する債券であり、国の資金調達をする手段の1つです。国債を購入すると、半年ごとに1回金利を受け取ることができ、満期には投資した元本が償速されます。国債を相続する方法としては名義変更と中途換金の2つの方法があります。

 

①名義変更
国債は、証券会社や銀行等の金融機関で購入することができますので、国債を購入した金融機関で名義変更の手続きを行います。基本的には、上場株式と同様に、戸籍謄本や印鑑登録証明書が必要となる他、金融機関によって必要となる書類が異なりますので、具体的には、被相続人の国債口座のある金融機関に確認して進めます。

 

②中途換金する場合
国債には、中途換金ができない期間が設けられている場合があります。しかし、国債の保有者が亡くなった場合は「特例」が認められ、中途換金ができない期間であっても、例外的に中途換金することができます。相続人が、この申請をする際には、相続人たる地位を証明する書類などが必要になります。手続きは金融機関によって異なる場合がありますので、詳細は口座を開設している取扱機関に確認しましょう。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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