『相続実務のツボとコツ』

5-2 葬儀後にすべきことって?


<葬儀後のスケジュール>
葬儀後にすべきことはたくさんあり、期限内にしなければいけないものもあります。まずは、遺品整理から少しずつ手を付け、遺言書の有無も確認しておきましょう。資産の内容によっては、相続放棄せざるを得ないケースもありますが、原則、相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要がありますので注意が必要です。戸籍の収集も徐々に始め、相続人が確定したら遺産分割協議を進めていきましょう。さらに、4か月以内には準確定申告、10か月以内には相続税申告がケースに応じて必要です。生命保険へ加入していた場合は、死亡保険金請求も忘れずにしましょう。死亡保険金の調求期間は、一般的に3年以内が多いようです。

<期限のあるものに注意>
相続手続きには、期限内にしなければいけない手続きがいくつかありますので、注意が必要です。主に、次の①~④があります。

①10日以内に行うこと
年金受給権者死亡届
年金を受けている方が亡くなった場合、年金を受ける権利がなくなります。年金事務所または年金相談センターで受付が可能ですので、受給権者死亡届の提出を行い手続きを済ませましょう。

②3か月以内に行うこと
相続放棄・限定承認
相続の放棄とは、マイナスの財産もプラスの財産も引継ぎませんという選択です。主に、遺産に借金が多い場合に活用しますが、相続放棄をすることで相続人でなくなるのがこの制度です。
もうひとうつ限定承認があります。この制度は、プラスの財産とマイナスの財産どちらが多いかわからない場合に活用します。この制度を活用すると、遺産を調査した結果、プラスの財産よりマイナスの財産が多かったとしても、その分を相続人が返済する義務を負わないとする制度です。相続の放棄・限定承認は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に家庭裁判所に申し出ることによって行います。この期間を過ぎると、通常通りの相続で確定となりますので、相続放棄・限定承認ができないということになりますので注意が必要です。

③4か月以内に行うこと
準確定申告
年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければならないとされています。これを準確定申告といいます。被相続人に、事業所得、不動産所得などの所得が20万円以上あった場合に必要となりますので、忘れずに手続きをしましょう。

④10か月以内に行うこと
相続税申告 (6-2節参照)

<期限がないけど早めに行いたい手続き>
次の①~⑤のような手続きがあります。

①自筆証書遺言の調査
自筆証書遺言は、封がされていた場合、開封せずに家庭裁判所で検認の手続きが必要です。検認の前に開封した場合、5万円以下の過料となりますので注意が必要です。公正証書遺言の場合は、公証役場に問い合わせてください。

②財産目録作成
遺品整理をする上で、不動産や銀行預金、有価証券などの財産、銀行からの借入などを調査し、財産目録にまとめましょう。遺産分割協議や確定申告の際などに必要です。

③相続人調査
戸籍を取り寄せて、被相続人の出生から死亡までの親族関係を調べましょう。相続人が行方不明だったり、未成年者や認知症などの場合は、代理人などの選任が必要になります。

④遺產分割協議
相続人が確定したら、遺産分割協議を済ませましょう。遺産分割協議に期限はありませんが、相続人全員で行う必要があるため、時間がかかるケースもあります。一堂に会する必要はありませんが、なるべく早く済ませたいところです。協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。

⑤名義変更・各種解約
ケースに応じて、名義変更や各種解約が必要となりますので、漏れのないように手続きを済ませましょう。以下は、よくあるリストをまとめています。
・不動産名義変更 地方法務局
・預貯金の名義変更
・自動車所有権の移転
・クレジットカードの解約
・各種公共料金の名義変更
・パスポート
・携帯電話の名義変更、解約
・運転免許証の返却


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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