『相続実務のツボとコツ』

5-12「姻族関係を終了させる手続き」とは?


<配偶者が死亡しても、配偶者側親族との関係は(法律上)維持される>
配偶者が亡くなった場合、配偶者側親族との距離感、付き合い方について悩まされる方は少なくありません。生前から付き合いがあり関係性も良好であった場合はともかくとして、全く付き合いがなかった場合や付き合いはあったけど険悪な関係だった場合などに「配偶者が亡くなったのだからもう付き合うことはない」と考える方が多いようです。

しかし、法律上は、配偶者が死亡したという事実のみをもっては、その関係性に変更は生じず、親族としての関係は維持されます。そのため、相続権は別問題として、特別の事情がある場合には、家庭裁判所の審判により、三親等内の親族に対する扶養義務が発生し得る(民法第 877条第2項)などの問題が生じます。そのため、これらのことを回避するために、姻族関係終了の届出を行う意義が生じます。

<そもそも「親族」「血族」「姻族」とは>
民法第 725条(親族の範囲)において、「①六親等内の血族・②配偶者・③三親等内の姻族」が「親族」であると定義されています。

「血族」とは、その名の通り「血の繋がった家族」と捉えて頂くとわかりやすいですが、「養子縁組」によっても血族関係は生じ、これを「法定血族」といいます。

「配偶者」とは、法律上の夫又は妻のことです。

「姻族」とは、「婚姻によって生じた親族関係」のことを指します。配偶者側の血族や、自己の血族の配偶者が姻族に当たり、一般的には「義理の兄弟」「義理の両親」と呼んだりもします。

<姻族関係終了届の提出方法と注意点>
配偶者と離別(離婚)の場合は配偶者の親族も含めて姻族関係は終了となりますが、配偶者と死別の場合は、配偶者の親族(姻族)は当然には終了とならず、この姻族関係を終了させたい場合は「姻族関係終了届出」を提出する必要があります。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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