『相続実務のツボとコツ』

5-11 公共料金 (ライフライン)の変更手続はどうするの?


<まずは「口座振替不能のお知らせ」ハガキが届く>
日常生活で欠かすことができないのが、「電気」「ガス」「水道」といった「ライフライン」の契約です。亡くなった方の名義で契約し、その公共料金の支払いを故人名義の通帳口座から引き落としで支払っていたり、故人名義のクレジットカード払い(クレジットカード会社名義での口座引き落とし)を選択していたりする場合、それらに紐づく金融機関口座が相続によって「凍結」されると、「公共料金の引き落とし不能」という事態を招き、契約している住所宛てに「口座振替不能のお知らせ」が届くことになります。このハガキに記載のある支払期日までに、近くのコンビニエンスストア等で臨時的に支払いが可能です。

<いきなりは停止されず、「供給停止のお知らせ(予告)」が届く>
電力会社等により多少の違いはありますが、命に関わる「ライフライン」ですので、相続発生によって金融機関の口座が凍結され、引き落とし不能により公共料金の支払いをしていない場合でも、直ちに供給が停止されるわけではありません。まずは、公共料金が期限内までに支払いがされていない旨と、そのまま支払いがないとやむを得ずに停止するという「予告」がされた郵便はがきが届きます。急ぎではないとはいえ、そのまま住み続ける必要がある場合は、以下に案内する相続による承継手続きを早めに行うようにしましょう。

<ガス・電気・水道の相続手続き>
それぞれの手続きについて見ていきましょう。

①都市ガス(又はプロパンガス)
都市ガスかプロパンガスかに関わらず、毎月届く「使用料金のお知らせ」に記載のある電話番号へ電話をしましょう。契約名義だけでの変更であれば、電話だけで受け付けてもらえるところが多いです。一方、「引き落とし先銀行口座の変更」手続きについては、電話だけでは手続きができないため、口座変更手続き用紙を郵送してもらいます。なお、金融機関窓口でも専用の用紙があるため、それを用いて引き落とした口座を変更することも可能です。利用契約を承継せずに、建物取り壊しなどで解約する場合は電話だけで簡易に手続きが可能です(プロパンガスの会社等では例外で書面提出が必要な場合もありますが、難しいものではありません)。

②電気
電気についても、基本的には都市ガスの場合の手続きと同じです。毎月届く「使用料金のお知らせ」をチェックして、電話をしましょう。最近では、「ガス電力自由化」が施行されましたので、相続を機会として、ガスと電気の契約を一本化する方もいらっしゃいます。少しお得になるようなので、検討してみても良いかもしれません。

③水道
水道はガスや電気と異なり、民営化しておらず、市区町村によって少し手続きが異なる場合があります。またマンションなどの「集合住宅」では、管理会社が家賃と一緒に水道料金を引き落としている場合がありますので、その場合は、管理会社へ連絡する必要があります。いずれにせよ、まずは現状どのように支払っているかを確認しましょう。

以上が公共料金の使用者名義及び振込先口座の変更手続きの流れです。金融機関手続きとは異なり、戸籍謄本などの公的書類の提出も限定的であり、簡便な手続きとなります。

なお、インターネットのプロバイダ契約、新聞の定期購読契約、NHKの受信料支払い契約、携帯電話の契約など、毎月「口座振替」で支払っている契約がある場合も注意しましょう。故人名義の通帳を見て確認することで、どういった引き落としがあるのかは確認が可能です。

「ガス」「電気」「水道」「NHK」 「NTT」の5つについては、金融機関の取扱状況によっては、「金融機関窓口」において、公共料金の引落先口座の変更手続きがまとめてできるため、このような方法を活用してみてもよいでしょう。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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