『会社設立のポイント』

4-2-(2) 資本金の払込方法と注意点


●発起人が1人の場合
発起人が1人であれば、発起人自身の口座に会社の資本金の額を入金(預け入れ)します。入金(預け入れ)は振込とは違って、通帳にお金を入れた人の氏名が記帳されませんが、発起人の口座に発起人自身がお金を入れたことがわかるので問題ありません。もちろん、発起人の氏名が記されるように、振込をしてもかまいません。

●発起人が複数の場合
発起人が複数であれば、設立時に引き受ける株式に応じた資本金の額を、発起人代表者の口座に各人にそれぞれ振り込んでもらいます。発起人代表者がほかの発起人から出資額を預かって、まとめて入金するやり方でもかまいませんが、それぞれの名前と出資額が通帳に印字されるように、各人に振り込んでもらったほうがわかりやすくなります。

●発起人以外の名前による振込・入金
発起人以外の名前による振込・入金は登記の審査で認められないので、発起人が経営する別会社名での振込や家族の名前での振込はしないようにしてください。

●振込・入金時期
通帳に単に残高があるだけでは登記は通らないので、定款の認証を受けた日以後に、新たに入金または振込をする必要があります。発起人の個人の口座を利用するので、単に残高があるだけでは、そのお金が設立する会社に対する出資金なのかどうかがわからないため、定款認証以後の日付で、入金または振込をします。

たとえば、発起人代表者鈴木一郎の個人の口座に、定款の認証を受けた日より前に100万円の残高があったとします。会社の資本金を100万円としたとき、口座には資本金に相当する額がすでに入っていることになります。しかし、定款の認証を受けた日以後の日付で、入金または振込をすることが必要となるので、いったん出金して再度入金をするか、新たに100万円を入金しなくてはなりません。

●資本金は使ってもいい?
資本金は会社の事業のためであれば、使っても問題ありません。資本金は事業の元手になるお金で、この元手を設備投資に充てたり、運転資金に回したりと、どれだけ効率よく配分できるかが、事業成功の鍵といえます。
したがって、資本金の額を決める際は、当面の必要な資金以上の額にする必要があります。当面必要な資金は、運転資金と当初の設備投資額の合計になります。
また、当初発起人の口座に振り込まれた資本金は、設立後、会社で開設する口座へ振り替えることになりますが、振替前にお金が必要になった場合には、引き出して使うこともできます。ただし、資本金の使い道は、事業に関することだけで、個人的な使用はできません。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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