『会社設立のポイント』

4-1-(2) 登記する事項


「定款に記載した事項=/登記する事項」がポイント
定款で定めたすべてのことを登記する必要はなく、法令の規定により登記しなければならない事項または登記できる事項を記載します。会社設立の場合は主に次の事項を登記します。

 

<登記する事項一覧>
①商号
②本店住所
③公告の方法
④目的
⑤発行可能株式総数
⑥発行済株式の総数(設立時に発起人に割り当てる株式の数の合計数)
⑦資本金の額
⑧株式の譲渡制限に関する規定(設定した場合)
⑨役員に関する事項(取締役の氏名、代表取締役の住所・氏名、監査役の氏名)
⑩取締役会の設置、監査役の設置(取締役会を置く会社の場合)

 

そのほか、支店を置いた場合、会社の存続期間または解散の事由を定めた場合、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する場合などは、その旨を登記します。

 

●会社法における登記の効力
設立の登記は、法人としての株式会社を成立させる効力がありますが、会社法上、登記の効力はそれだけではありません。
登記すべき事項は、登記のあとでなければ善意の第三者に対抗することができません。ここでいう「善意」というのは、日常使用される意味とは違い、「ある事実について知っていること」を意味します。たとえば、株式会社パールコンサルティングの代表取締役が鈴木一郎から木村拓哉に交代したのに、その登記をしていなかったとします。登記上は鈴木一郎が代表取締役のままになっており、鈴木一郎はそれをいいことに、勝手にA社と物品の売買契約を交わしました。A社は登記を見て、鈴木一郎に代表権があると信じて契約をしたので、株式会社パールコンサルティングはA社に契約の無効を主張することができません。契約を履行することができなければ、違約金を支払わなければならないことがあります。このように、登記の有無を確認することで、会社法では、会社と取引関係に入る第三者を保護しています。

<変更事項を登記しなかったり、嘘の登記をしたら?>
会社は登記をする義務があるので、登記をした内容に変更がある場合は、その都度、登記をし直さなければなりません。第三者が登記事項証明書を取得した際に、最新の会社の情報がわからなければ、円滑で安心な取引に支障が出るからです。
会社の登記の多くは登記期間が決まっており、一定の期間内(変更の日から 2週間以内が多い)に登記の変更事項の申請をしなければ、100万円以下の過料の制裁を受けることがあります。過料は登記を申請したときに徴収されるのではなく、後日、通知が来るので、別途支払うことになります。特に取締役などの役員変更(重任)の登記を忘れていて過料が請求されるケースが多いので、任期には気をつけましょう。
登記は円滑な取引をはかる制度ですから、嘘の内容を登記すると、「公正証書原本不実記載罪」という罪になります。5年以下の懲役または 50 万円以下の罰金に処せられるのでご注意を。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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