『入管法の実務』

3-2-(3) 入管法7条1項2号


(3) 入管法7条1項2号
(入国審査官の審査)
第7条(省略)
二 申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく、別表第1の下欄に掲げる活動(2の表の高度専門職の項の下欄第2号及び技能実習は、法務大臣があらかじめ告示をもつて定める活動に限る。)又は別表第2の項の下欄第2号に掲げる活動を除き、5の表の下欄に掲げる活動についての下欄に掲げる身分若しくは地位(永住者の項の下欄に掲げる地位を除き、定住者の項の下欄に掲げる地位については法務大臣があらかじめ告示をつて定めるものに限る。)を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、別表第1の2の表及び4の表の下欄に掲げる活動を行おうとする者については我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準に適合すること。

入管法7条1項2号は、②活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性の条件を規定しています。申請に係る活動(日本で行おうとする活動)が偽りのものでなく、かつ、日本で行おうとする活動が、入管法に
定める在留資格のいずれかに該当すること、また、上陸許可基準の適用のある在留資格については、その基準に適合することが内容です。

ア活動の非虚偽性

(ア)活動の非虚偽性の意義
「申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく」とは、当該外国人の陳述、証拠資料等に基づき、かつ、その主観的意図のほか客観的事情を総合的に考慮して、当該外国人の本邦において行おうとする活動が社会通念上虚偽のものではないということができることを意味します(東京地判平21・10・16判タ1337・123)。

(イ) 活動の非虚偽性要件における裁量の余地
行政庁の判断過程には、事実認定それ自体と事実に対する要件的評価(認定事実の構成要件への当てはめ)があるところ(塩野宏『行政法I 第5版]」125頁(有斐閣、平成21年)、宇賀克也「行政法概説 I第4版)」315頁(有斐閣、平成23年)、原田尚彦「行政法要論(全訂第7版(補訂2版)』146頁(学陽書房、平成24年)、櫻
井敬子・橋本博之「行政法〔第5版)」108頁(弘文堂、平成28年)、芝池義一『行政法総論講義第1版補訂版)172頁(有斐閣、平成18年)参照)、入管法7条1項2号の要件のうち、「活動の非虚偽性」(申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでないこと)の要件に係る判断については、基本的に事実認定それ自体で足りますので、裁量の余地はありません。このことは極めて重要です。(ただし、後述するとおり、活動の非虚偽性に係る事実認定のための間接事実として、一定範囲で申請人の過去の行為等を用いることはでき
ます。)。

また、裁判所は、活動の非虚偽性の要件の判断について、覆審的審査すなわち、独自の立場で全面的に審査することになり、上記(ア)の東京地裁平成21年10月16日判決(判タ1337・123)も、判断代置方式によって審
査しています(行政事件訴訟法30条の裁量権の逸脱・濫用の審査をしているのではなく、端的に、入管法7条1項2号の法令解釈の問題(処分要件該当性の問題)としています。)。

(ウ) 活動の非虚偽性要件に係る事実認定のあり方
東京地裁平成21年10月16日判決 判タ1337・123) は、入管法7条1項2号の活動の非虚偽性要件の判断の考慮要素について、当該外国人の陳述、証拠資料等に基づき、かつ、その主観的意図のほか客観的事情を総合的に考慮するとしました。そして、入管法及び入管法施行規則には、在留資格認定証明書交付申請について、審査資料を申請者が提出した資料等に限る旨を定めた規定は存在しないから、それ以外の資料又は事実を判断の基礎とすることが許されると判示しています。法務大臣等は、活動の非虚偽性要件に係る事実認定のための間接事実及び間接証拠として、申請人の過去の行為やそれを裏付ける書面等を、一定程度で用いることができます。

活動の非虚偽性の判断対象は、申請人の日本入国後の将来の活動ですので、必然的に、過去の事実関係等からの予測とならざるをえない側面があり、非虚偽性判断のための間接事実として、申請人等に係る過去の行為等
を用いる必要性は高いといえます。

ただし、活動の非虚偽性に係る事実認定に当たって、間接事実及び間接証拠として用いることができるのは、あくまでも、当該申請に係る日本において行おうとする活動の真偽に関わるものに限られ、提出書面に単なる誤記があることや当該申請に係る在留資格とは別の在留資格で日本に滞在していた時期に係る事項等については、原則として用いることができません。実際、東京地裁平成21年10月16日判決は、それらを活動の非虚偽性(虚偽性)の間接事実、間接証拠として用いることを排斥しました。現在の実務においては、申請人や関係者(申請人の雇用主等)が以前に提出した書面との間に不整合な点があること等をもって、申請に係る活動の非虚偽性を否定し、在留資格認定証明書を不交付とする事例が見受けられます。

しかし、活動の非虚偽性に係る事実認定のための間接事実及び間接証拠として用いることができるのは、あくまでも、当該申請に係る日本において行おうとする活動の真偽に関わるもの(経験則に照らし、合理的な推認力を持つもの)に限られることに留意する必要があります。

(エ) 活動の非虚偽性要件に係る判断基準、立証の程度
東京地裁平成21年10月16日判決(判タ1337・123) は、入管法7条1項2号の活動の非虚偽性要件の判断基準につき、「社会通念上虚偽のものではないということができるかどうか」であると判示しました。そして、申請及びその添付資料の内容について特に不合理とすべき点が認められず、申請に至った経緯についても不合理とすべき点は認められないことを理由に、申請に係る活動が社会通念上虚偽のものではないことについて、十分に証明されていると判示していることからすると、同判決は、活動の非虚偽性に係る立証の程度としては、それほど高度な証明を要求しているわけではなく、特段の疑いを生じさせるものでなければ立証として足りるとの見解に立つものと解されます(なお、「逐条解説』252頁も、「外国人の本邦において行おうとする活動が社会通念に照らして偽りのものではないと納得できるものでなければならないという意味」と述べており、同判決と同旨と解されます。)。

入管法7条の2第1項、入管法施行規則6条の2第5項、入管法7条1項2号は、活動が虚偽のものでないことを立証しなければならないと規定しているのであって、真実であることを立証しなければならないと規定した
ものではないことに留意する必要があります。

なお、上記(イ)ないし(エ)で述べたことを含め、東京地裁平成21年10月16日判決の分析については、山脇康嗣「入管法判例分析』1頁 (日本加除出版、平成25年)を参照してください。

イ 在留資格該当性及び上陸許可基準適合性
(ア) 在留資格該当性
まず、入管法7条1項2号(「申請に係る本邦において行おうとする活動が(中略)、別表第1の下欄に掲げる活動(中略)又は別表第2の下欄に掲げる身分若しくは地位(中略)を有する者としての活動のいずれかに該当」)に
より、上陸許可を得るためには、いずれの在留資格についても、在留資格該当性が必要となります。

さらに、入管法7条1項2号のかっこ書により、入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動すなわち、「特定活動」については、上陸許可を得られるのは、法務大臣があらかじめ告示(特定活動告示)をもって定める活動に限られます。同様に、「定住者」についても、上陸許可を得られるのは、法務大臣があらかじめ告示(定住者告示)をもって定めるものに限られます。

したがって、「定住者」の在留資格該当性を満たしうる者であっても、定住者告示に定める類型にあたらなければ、原則として、「定住者」の在留資格をもって上陸することはできません。このような場合は、いったん「短期滞在」の在留資格で上陸許可を受け(「短期滞在」の在留資格は、観光目的に限られません。報酬を伴う活動をするのでなければ、「短期滞在」の在留資格に該当しうるのであり、いったん「短期滞在」
の在留資格で上陸した後に、いわゆる定住者告示外の「定住者」(告示外定住)への在留資格変更申請を行うという目的でもかまいません。)、その後、「定住者」へ在留資格変更許可申請をすることとなります。

告示外特定活動についても、「特定活動」での上陸許可は得られないので、「短期滞在」等の他の在留資格から「特定活動」への在留資格変更許可申請によることになります。「定住者」及び「特定活動」については、それぞれ、定住者告示、特定活動告示に該当する活動でなければ、原則として(すなわち、入管法12条1項の上陸特別許可を得ない限り)上陸許可されないこと、換言すれば、告示外定住、告示外特定活動は、他の在留資格からの変更によることは実務上非常に重要です。

また、入管法7条1項2号かっこ書で「永住者の項の下欄に掲げる地位を除き」と規定されているので(これは、日本がいわゆる移民の入国を認めないという国の方針を内外に示したものとされています(「逐条解説」255頁)。)、いかなる外国人であっても、「永住者」の在留資格で上陸許可されることはありません。

なお、入管法12条1項の上陸特別許可は、入管法7条1項に規定される上陸のための条件を満たしていない者(入管法11条1項の異議の申出が理由がないと認められる者)に対して在留資格を付与するものです(法1211.11N V・9m)。

したがって、理論的には、「永住者」の在留資格をもっての上陸特別許可も観念できますが、実務上は、上陸特別許可において「永住者」の在留資格が付与されることはありません。「永住者」の在留資格を欲する外国人は、それ以外の在留資格で上陸許可を受けた後、一定年数以上、適法に日本に在留し、在留資格変更許可申請の一種としての永住許可申請(法221)を行うか又は出生による在留資格取得許可申請の一種としての永住許可申請(法22の2N)を行うことにより、「永住者」の在留資格を得ることになります。

さらに、入管法7条1項2号かっこ書では「2の表の高度専門職の項の下欄第2号に掲げる活動を除き」と規定されているので、「高度専門職(2号)」をもって上陸許可されることもありません。「高度専門職(2号)」は、その活動内容からして、「高度専門職(1号)」からの在留資格変更手続によって取得することが想定されているからです(法20の21)。

(イ) 上陸許可基準適合性
「別表第1の2の表及び4の表の下欄に掲げる活動を行おうとする者」(法710)、すなわち、「高度専門職(1号)」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「技能実習」、「留学」、「研修」、「家族滞在」の在留資格で上陸しようとする外国人については、上記(ア)の在留資格該当性の要件に加えて、上陸許可基準適合性が上陸のための条件として求められます。

すなわち、外国人がこれらの在留資格の決定を受けて日本に上陸しようとするときは、在留資格該当性と上陸許可基準適合性の2つの上陸のための条件を満たす必要があります。これらの在留資格以外の在留資格で上陸しようとする場合には、上陸許可基準適合性は問題となりません。

例えば、「報道」の在留資格で上陸しようとする場合には、上陸許可基準適合性は問題とならないので、入管法7条1項2号との関係では、活動の非虚偽性と在留資格該当性の条件を満たせばよいのです。

上陸許可基準は、入国・在留する外国人が日本国の経済や国民生活に及ぼす影響等を勘案の上、入国管理政策の観点から上陸を許可する外国人の範囲を調整する必要があると認められる在留資格について、在留資格該当
性に加えての、さらに適合すべき上陸のための条件として、基準省令において定められたものです。

在留資格該当性と上陸許可基準は、入管法上、極めて重要な概念であり、両者の関係と機能を的確に理解する必要があります。

入管法は、在留資格該当性の要件とは別個に、上陸許可についてのみの在留資格に係る要件として上陸許可基準を定めたものです(法71②)。入管法上、上陸許可基準に適合することは、外国人が入国審査官から上陸許
可を受けるための要件にすぎません(もっとも、後記のとおり、実務上は、上陸許可基準に適合しているか否かは、上陸許可申請以外の場面である在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請においても掛酌されます。)。

上陸許可を受けた後に上陸許可基準に適合しなくなったとしても、そのことにより直ちにその外国人が在留資格を失い在留を継続できなくなるというものではありませんし、従来から行っていた活動を引き続き行うこと
が資格外活動を行ったものとして退去強制事由(法240イ)に該当することになるものでもありません。

刑事罰との関連でいえば、資格外活動罪(法701 0・73) の構成要件該当性は、当該「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」(法191)が、現に有する在留資格の在留資格該当性の範囲内にあるか否かにより決まるものであり、上陸許可基準の影響を受けません。

また、何らかの在留資格で上陸許可を受けて日本に在留するようになった後、在留資格変更許可申請を行うような場合には、上陸許可基準に適合していなくても、在留資格該当性の範囲内であれば、許可されえます。在
留資格変更許可は、上陸許可基準適合性が法律上直接に条件(許可要件)となる上陸許可の場面ではないからです。

在留資格変更は、入管法20条3項により、在留資格該当性と狭義の相当性が認められる限り許可されます。例えば、日本の大学や短期大学の卒業生が、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に在留資格変更許可申請する場合は、一定の要件を満たす限り、大学等で修得した内容と職務の内容に直接的な関連性がなく、学歴と職務との関連性に係る上陸許可基準適合性がなくとも許可されます(審査要領)。

もっとも、上陸許可基準は、上陸許可申請における許可要件として直接に機能する以外にも、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請など上陸許可申請以外の多くの場面でも間接的には強く機能します。法的には、上陸許可基準適合性は、在留資格変更や在留期間更新の要件である狭義の相当性の要件を満たすか否かに係る判断要素の重要な一つとして位置付けられます。

実務上は、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請の場面で、上陸許可基準適合性はかなり重視されています。これは、在留資格変更許可や在留期間更新許可の要件である狭義の相当性に係る判断には、法務大臣等の一定の裁量が認められているところ、そもそも上陸許可基準は、外国人が日本国の経済や国民生活に及ぼす影響等を勘案して定められているものなので、その趣旨からすると、上陸許可以後の在留の場面でも本人にとって不合理な取扱いとならない限り、裁量判断の考慮要素とするのが合理的であることによると解されます。

ウ 在留資格認定証明書
入管法7条1項2号で規定されている活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性の各条件を満たすことについては、「短期滞在」の在留資格で上陸しようとする場合を除き、あらかじめ、法務大臣に認定を求めることができます。これが、在留資格認定証明書の制度です(法7の2)。

在留資格認定証明書があれば、在外公館で査証発給も容易に受けやすくなり(査証規則7M参照)、また、出入国港での上陸審査においても、上陸のための条件を満たすことの立証が容易になります。したがって、「短期滞在」以外の在留資格で日本に入国しようとする外国人にとって、在留資格認定証明書交付申請は極めて重要な手続です。以下、在留資格認定証明書について説明します。

(ア) 在留資格認定証明書の意義
入管法7条の2は、外国人が「短期滞在」以外の(法7の2Iかっこ書)在留資格で、日本に上陸しようとする場合には、申請に基づき、法務大臣があらかじめ在留資格に関する上陸のための条件の適合性を審査し、その外国人の行おうとする活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性(入管法7条1項2号に掲げる条件)を証明する文書を発給できることを定めています。この文書を在留資格認定証明書といいます。

外国人が到着した出入国港の上陸審査の場において、短時間に、入管法7条1項に規定される上陸のための条件の全てについて立証することは困難ですので、法務大臣の事前認定制度を設けることにより、入国審査手続の簡易・迅速化と効率化を図ることを目的としています。在留資格認定証明書は、日本に上陸しようとする外国人が、日本において行おうとする活動が上陸のための条件(活動の非虚偽性、在留資格該当性、上陸許可基準適合性の要件)に適合しているかどうかについて法務大臣が事前に審査を行い、この条件に適合すると認められる場合に交付されるものです。

上記1(2)のとおり、上陸拒否事由(法5I各号)に該当しない外国人に係る在留資格認定証明書の交付は、羈束行為であり(東京地判平21・10・16判タ1337・123)、法令が明示する要件以外の要件(条件)の設定は一切ありえません(審査要領)。在留資格認定証明書交付申請に係る標準審査期間は1か月ないし3か月です。早期入国
の必要性があるという特別な事情がある場合には、「早期処理願い」(書式任意)を申請時に提出することがあります。

当該外国人が日本で行おうとする活動に活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性が認められる場合でも、審査の過程において、その外国人が上陸拒否事由(法5I各号)に該当するなど他の上陸のための
条件(法71030)に適合しないことが明らかなときは、第2章第15節で詳述する上陸拒否の特例(法5の2) 又は上陸特別許可(法121)が見込まれる場合を除き、在留資格認定証明書は交付されません(現6の2V ただし書)。

上陸拒否事由に該当する外国人に係る在留資格認定証明書交付処分は羈束行為ではなく、法務大臣等が、家族の結合等の「特別の理由」(規4の21②参照)を考慮して在留資格認定証明書を交付するか否かの判断については、裁量が認められます(東京高判平26・12・10(平26(行コ) 301) 裁判所HP、東京地判平24・10・2(平24(行ウ)103) WLJP、東京地判平26・7・10(平25(行ウ)235) 裁判所HP、東京地判平26・11・19(平25(行ウ)358) WLJP)。もっとも、当該上陸拒否事由に対する評価や上陸特別許可(法121)あるいは上陸拒否の特例(法5の2)の適用を受けるべき特別の理由であると申請人によって主張される事情の判断において一定程度の裁量が法務大臣等に認められるとしても、平等原則の要請から、法務大臣等は、在留資格認定証明書交付申請に対する処分において、上陸拒否事由該当者に対し不合理な区別取扱いをすることは許されません。

よって、どのような類型の上陸拒否事由該当者に対して在留資格認定証明書を交付するかに係る黙示的な裁量基準(第2章第15節(上陸特別許可・上陸拒否の特例)第6参照)が存在している場合には、合理的理由なく当該裁量基準に反してなされた不交付処分は、平等原則等を介して、法務大臣等の裁量の逸脱・濫用として違法となります(山脇康司「入管法判例分析』26頁 (日本加除出版、平成25年)、最判平成27・3・3民集69.2.143)。

なお、在留資格該当性又は上陸許可基準適合性(法71②)が在留資格認定証明書交付の時点において存在しなかった事実又は上陸拒否事由(法5I)に該当(法TIO)する者であった事実が、在留資格認定証明書の交付処分後
に判明したときは、当該交付処分は取り消され、在留資格認定証明書を返納させられます。

この在留資格認定証明書交付処分の取消しは、入管法上明文で規定された制度ではありませんが、行政法の一般理論により認められます(審査要領)。

在留資格認定証明書を交付された外国人は、その在留資格認定証明書を在外公館に提示して査証の発給申請をした場合には、在留資格に係る上陸のための条件についての法務大臣の事前審査を終えているものとして扱わ
れるため、査証の発給は迅速・容易に行われます(査証規則7II参照)。

ただし、在留資格認定証明書が直接に証明するのは、入管法7条1項2号に掲げる条件(活動の非虚偽性、在留資格該当性、上陸許可基準適合性の要件)のみですから(法7の21)、入管法7条1項2号以外の上陸のための条件に適合しない場合には、査証が発給されず(査証規則7 I)、その上陸は許可されないことになります(法71①)。

出入国港において在留資格認定証明書を提示する外国人は(在留資格該当性又は上陸許可基準適合性が事情変更により失われていると認められる場合を除き)、入国審査官から在留資格に関する上陸のための条件に適合
する者として取り扱われるので(審査要領)、上陸審査も簡易で迅速に行われます。

在留資格認定証明書が直接に証明するのは、入管法7条1項2号に掲げる条件(活動の非虚偽性、在留資格該当性、上陸許可基準適合性の要件)のみですが(法7の2I)、入管法施行規則6条の2第5項ただし書が、入管法7条1項1号、3号、4号に掲げる条件に適合しないことが明らかであるときは同証明書を交付しないことができると規定していることを通じて、入管法7条1項1号、3号、4号適合性についても事実上の推定力はあるといえます。

なお、在留資格認定証明書不交付については、行政処分性(行訴31)があり(東京高判平26・12・10(平26(行コ) 301) 裁判所HP、東京地判平10・12・25判タ1006・116、東京地判平19.8・31(平18(行ウ)79) WLJP、東京地判平20・7・16 (平19 (行ウ)676) WLJP、東京地判平21・10・16判タ1337・123、京都地判平23・10・18判タ 1383・197、東京地判平24・10・2(平24(行ウ)103) WLJP、東京地判平26・7・10(平25(行ウ)235)裁判所HP、東京地判平26・11・19(平25(行ウ)358) WLJP等)、取消訴訟を提起できます。

(イ) 在留資格認定証明書交付後の事情変更
在留資格認定証明書は、外国人の上陸申請よりも前の時点で交付されるものであるため、その交付後、日本上陸までの間に事情変更の生じることが考えられます。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に係る在留資格認定証明書の交付を受けた外国人が、その交付後上陸の申請の時までに日本の就職先の会社が倒産したため、出入国港において上陸の申請をした時点においては、入管法7条1項2号に規定する上陸のための条件に適合しなくなるというような事態が起こりえます。

また、「日本人の配偶者等」の在留資格に係る在留資格認定証明書の交付を受けた外国人が、その交付後上陸の申請の時までに、日本人配偶者と離婚した場合も同様の事態が生じます。このような事態が生じた場合、上陸申請の時点では、上陸のための条件を満たしていないのですから、そのような事情変更が発覚すれば上陸が許可されないことになります。

この場合の上陸不許可処分の根拠は、上陸のための条件への適合性が否定されるような事情変更の発生により同証明書の効力が失われることではありません。在留資格認定証明書交付は行政処分です。行政処分として公定力がある以上、事情変更により瑕疵が生ずるに至ったとしても、それが重大かつ明白なものでない限り、権限ある機関(法務大臣あるいは裁判所)による取消し又は撤回がない限り、無効となるとは考えられません。

また、そもそも、在留資格認定証明書の存在は上陸のための条件ではなく、立証資料のひとつにすぎません(なお、入管法7条2項後段により、「高度専門職(1号)」については、在留資格認定証明書による立証が義務付けられます。)。よって、在留資格認定証明書が無効となるから上陸が許可されないのではなく、上陸のための条件に適合していることの立証責任は、申請人である外国人側にあるところ(法Ⅱ 前段)、事情変更が生じかつそれが発覚している場合には、上陸申請時点での上陸のための条件 (法71②) 適合性を、申請人である外国人が立証できないがゆえに、上陸が不許可となると解すべきです。

では、事情変更が発覚しないまま、上陸許可を受けた場合はどうなるでしょうか。その後、入管当局に事情変更が発覚した場合には、在留期間更新申請や在留資格変更申請が不許可となることがありえます(仮に在留期
間更新申請や在留資格変更申請の時点で、在留資格該当性を満たしていても、上陸申請の時点で事情変更を告知しなかったという(不作為による)虚偽申請をしたことが、更新許可や変更許可の要件たる狭義の相当性の欠
如を基礎付けます。)。また、入管法22条の4第1項2号による在留資格取消の対象ともなりえます。

なお、在留資格認定証明書の有効期間は交付の日から3月であり、それまでに上陸申請を行わないときは失効する(規6の2VI・別記6号の4様式・別記6号の5様式・別記6号の6様式)ので注意を要します(在留資格認定証明書の有効期間と査証の有効期間は異なります。)。

上陸申請前に有効期間内にある在留資格認定証明書を紛失・滅失、き損・汚損した場合は、入管法上に定めら
れた制度ではありませんが、一定の手続をとることにより、同証明書の再交付等を申し出ることができます(審査要領)。

(ウ) 在留資格認定証明書交付申請権限のある者
在留資格認定証明書の交付を申請できる者は、次のとおりです(法7の2III、規6の2皿・別表4・6の2IV)。
① 申請人本人(日本への上陸を希望する外国人本人)
② 当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他の法務省令で定める代理人
③次のaないしcのいずれかに該当する申請取次者等
a 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益社団法人又は公益財団法人の職員で、地方入国管理局長が適当と認めるもの
b 地方入国管理局長に届け出た弁護士又は行政書士
c 申請人本人の法定代理人(申請人本人が16歳に満たない者又は精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者若しくはその能力が著しく不十分なものである場合における申請人本人の法定代理人に限られます。)

②の当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他の法務省令で定める代理人については、在留資格に応じ、入管法施行規則別表第4で規定されています。具体的には、「高度専門職(1号イ、ロ)」の場合は、本人と契約を結んだ日本の機関の職員、「高度専門職(1号ハ)」の場合は、本人が経営を行い又は管理に従事する事業の日本の事業所の職員、「経営・管理」の場合は、本人が経営を行い又は管理に従事する事業の日本の事業所の職員(本人が経営を行い又は管理に従事する事業の日本の事業所を新たに設置する場合は、当該日本の事業所の設置について委託を受けている者(法人である場合にあっては、その職員))、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」の場合は、本人と契約を結んだ日本の機関の職員、「企業内転勤」の場合は、本人が転勤する日本の事業所の職員、「興行」の場合は、興行契約機関(興行契約機関がないときは、本人を招へいする日本の機関)又は本人が所属して芸能活動を行うこととなる日本の機関の職員、「家族滞在」の場合は、日本において本人を扶養することとなる者又は日本に居住する本人の親族あるいは本人を扶養する者の在留資格認定証明書交付申請の代理人となっている者、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の場合は、日本に居住する本人の親族が代理人として認められます。

したがって、例えば、日本人と結婚して上陸しようとする者の場合には、その配偶者(配偶者が一時的に海外駐在や海外留学している場合は、配偶者の親族)、日本にある会社に就職して上陸しようとする者の場合には、その就職先の職員等が代理人として申請することができます。なお、上記の機関又は事業所の職員について、審査要領は、申請人たる外国人社員の活動状況を把握している場合には、人事関連業務を行うグループ会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則8条8項の「関係会社」)の職員も含めるとしていますが、こうした運用は、入管法施行規則6条の2第3項、別表第4の明文規定に反する上、弁護士法72条、行政書士法19条1項に違反する疑いもあり、疑義があります。

③の申請取次者等は、①の申請人本人又は②の法務省令で定める代理人に代わって申請を提出できる者です(ただし、①の申請人本人又は②の法務省令で定める代理人が、在留資格認定証明書交付申請時点で日本に滞在している場合に限られます(審査要領)。)。

このように、在留資格認定証明書交付申請については、日本に上陸しようとする外国人本人は通常は外国にいることを考慮し(入管法施行規則6条の2第1項に「出頭して」とあることから、国外にいる外国人本人から直
接、郵送による申請をすることは認められていません。)、申請代理資格(日本弁護士連合会「外国人の法律実務入管代理・改正入管法・行政訴訟』1頁 (平成21年)。弁護士法3参照)を持つ弁護士や申請取次資格を持つ行政書士が行うことができる(規6の2N ②)ほか、当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他の法務省令(規6の2m・別表4)で定める者を代理人として行うことができるとされています(法7の211)。

なお、申請代理資格を持つ弁護士や申請取次資格を持つ行政書士は、在留期間更新許可申請(法21)、在留資格変更許可申請(法20)、永住許可申請(法22)、在留資格取得許可申請(法22の2)、資格外活動許可申請(法19 II)、再入国許可申請(法26)、就労資格証明書交付申請(法19の2)、申請内容の変更申出(21の2)、在留資格抹消願出(審査要領)、証印転記願出(審査要領)についても、外国人本人に代わって行うことができます(法61の9の3IV、規5906m・19m・29m・19の41m・210の20、審査要領)。

ただし、外国人本人が、申請時点及び許可処分時点において日本に在留中である必要があります(法61の9の3IN、視59の26・19m・29m・19の4m・21の20「本邦にある外国人」、審査要領)。

(エ) 在留資格認定証明書交付申請の申請先
申請人本人が申請する場合は、申請人本人の住所地を管轄する地方入国管理官署に申請し、入管法施行規則6条の2第3項、別表第4の代理人が申請する場合は、次の表の「代理人」に対応する「場所」の項に掲げる所在地等を管轄する地方入国管理官署に申請します(審査要領)。

(オ) 在留資格認定証明書の有効期間
在留資格認定証明書の有効期間は3か月とされています(現6の21・別記号の1様式、別記6号の5様式・別記6号の6様式)。したがって、在留資格認定証明書が交付された日から3か月以内に上陸申請をしないとその効力を失います。在留資格認定証明書の有効期間は査証の有効期間とは異なりますので注意してください。

実務上は、有効な査証を所持する外国人から在留資格認定証明書の有効期間経過後速やかに(おおむね1か月以内)上陸許可申請があったときは、当該在留資格認定証明書を有効な資料とみなして上陸審査が行われます。

これは、在外公館が在留資格認定証明書の有効期間内に査証申請を受理した場合でも、事実関係の調査に日時を要する場合があり、同証明書の有効期間経過後に査証を発給することもあることに配慮したものです。

(カ) 在留資格認定証明書を添付しての「短期滞在」からの在留資格変更許可申請
在留資格認定証明書の交付を受けて日本に上陸しようとする外国人本人が、日本に(たまたま)「短期滞在」の在留資格で滞在している場合は、その外国人本人も同証明書の交付申請ができます。その外国人本人が日本に
適法に滞在している間に同証明書の交付を受けた場合には、いったん日本から出国しなくとも、同証明書を添付して申請すれば、「短期滞在」から他の在留資格への在留資格変更申請することが認められます。なお、在留資格認定証明書交付申請後に「短期滞在」の在留期間が経過するという場合、在留資格認定証明書の交付を待つためという理由では、「短期滞在」の在留期間更新は実務上まず認められませんので、いったん出国する必要があります。

「短期滞在」から他の在留資格への変更申請は、入管法20条3項ただし書により、「やむを得ない特別の事情」がなければ許可されません。「やむを得ない特別の事情」の存否について、東京地裁平成19年10月31日判決(平18(行ウ) 113) WLJP)は、当該外国人が短期滞在の在留資格で入国し、在留資格の変更を申請した経緯や理由について、我が国の査証制度や在留資格認定証明書制度を形骸化させるような事情の存否、あるいは厳格な事前審査を行う我が国の出入国管理制度に照らしてもなお首肯しうる合理的な理由が存するか否かによって判断すべきと判示しており、入国後の事情変更を要件としていません。同判決は、制度上は、いったん出国した上で在留資格認定証明書の交付を受けて改めて上陸許可を受けることが可能であり、しかも入国後の事情変更がない場合であっても、具体的事情によっては「やむを得ない特別の事情」があるとして、「短期滞在」からの在留資格変更が認められうるとしたものです。実務上も、次のような場合に、入国後の事情変更はないものの、「短期滞在」からの在留資格変更が認められています。すなわち、「定住者」や「特定活動」の在留資格該当性を満たしうるものの、定住者告示類型や特定活動告示類型にあたらない場合には、上陸のための条件である入管法7条1項2号かっこ書を満たさないので、在留資格認定証明書の交付を受けることはできません。このような場合は、まず、「短期滞在」の在留資格で上陸許可を受けた後に、「定住者」や「特定活動」の在留資格に在留資格変更することが、「やむを得ない特別の事情」ありとして認められています(人道上の観点等から日本在留を認めるべき必要性があり、かつ、入管法上の在留資格該当性もあるにもかかわらず、入管法より下位の法規範である告示にあたらないがゆえに、法律上、在留資格認定証明書の交付を受けることができないことが、入管法上の「やむを得ない特別の事情」を基礎付けるといえます。)。

この「やむを得ない特別の事情」の有無については、身分系の在留資格(正確には、入管法別表第2の地位等類型資格)等への変更申請の場合と、就労系の在留資格への変更申請の場合とで分けて考えなければなりませ
ん。

i 「短期滞在」の在留資格から「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」という身分系の在留資格等への在留資格変更

まず、「短期滞在」の在留資格から「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」という身分系の在留資格(正確には、「永住者」を除く入管法別表第2の地位等類型資格)への在留資格変更は、婚姻により新たに生じた家族の結合(日本国憲法21条、市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約))等、人道上の利益を考慮して、「やむを得ない特別の事情」があるとして、(在留資格認定証明書の添付がなくとも)在留資格変更が許可されえます。

例えば、今回の在留以前にも留学等で日本在留歴があり、配偶者とも以前から交際があった外国人が、婚約者として「短期滞在」の在留資格で上陸し、在留期間中に婚姻手続を完了したような場合は、婚姻の信憑性に疑義が抱かれることは通常ないので、許可される可能性が高いです。ただし、婚姻が法的に成立していても、知り合った経緯や交際の経過等からして、婚姻の信憑性に疑義が抱かれる場合(初めての日本在留中に、お見合い業者や結婚斡旋業者等を介して、日本人と婚姻するような場合が典型です。

そのような場合は、外国人側の日本語能力が乏しく、夫婦間でのコミュニケーションも十分にとれないことが多く、婚姻の信憑性に疑義が抱かれます。)等は、いったん日本から出国した上での在留資格認定証明書の取得を行政指導され、変更申請が「受理」されないこともあります(もっとも、そのような行政指導に従わない意思を明確にして行う申請を入国管理局が受け付けないことは、違法です。)。

「家族滞在」の在留資格も、婚姻関係等の成立を前提とするという意味で身分系の在留資格といいえますが、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」に比べると、日本国との結びつきが弱い在留資格です(入管法別表第2の地位等類型資格ではありません。)。よって、「短期滞在」からの(在留資格認定証明書を添付しない)在留資格変更は、「やむを得ない特別の事情」が認められないとして、いったん日本を出国して在留資格認定証明書を得た上での査証申請及び上陸許可申請を指導されることがありえます。

「短期滞在」から「特定活動」への在留資格変更申請も、いわゆる連れ親類型の「特定活動」(告示外特定活動)である場合には、「やむを得ない特別の事情」があるとして許可されます。すなわち、就労可能な在留資格で適法に日本に在留する外国人の実親がおおむね65歳以上で、かつ、本国でその者を扶養する者がおらず、日本に在留する子に扶養能力が十分にある場合には、人道上の理由から、「特定活動」の在留資格が付与されえます(第2章第11節で詳述します。)。「特定活動」は、入管法7条1項2号かっこ書により、特定活動告示にあたる類型でないと原則として上陸許可されえない在留資格です。連れ親類型は、特定活動告示にあたらない告示外特定活動ですから、入管法7条1項2号を満たしえず、そもそも在留資格認定証明書が交付されることはありえません。

よって、「短期滞在」の在留資格で上陸許可され、日本に上陸した後に、「特定活動」に在留資格変更するしかないのです。入管法7条1項2号はあくまでも上陸のための条件にすぎず、入管法20条3項本文により、在留資格該当性と狭義の相当性さえあれば、在留資格変更は認められうる(「短期滞在」からの変更の場合は、入管法20条3項ただし書により、「やむを得ない特別の事情」も要求されます。)ことに注意しなければなりません。

入管法上、上陸のための条件(法71)と在留資格変更のための要件(20m)は明確に区別する必要があります。在留資格「特定活動」に係る特定活動告示該当性は、「上陸のための条件」(法71②かっこ書)ではありますが、在留資格変更の(直接的な要件ではありません。

在留資格変更においては、特定活動告示にあたらなくとも、「特定活動」の在留資格該当性及び狭義の相当性を満たし得ます。

ii 「短期滞在」の在留資格から就労系の在留資格への在留資格変更
「短期滞在」の在留資格から就労系の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」、「技能」等)への在留資格変更は、原則として、「やむを得ない特別の事情」は認められません。したがって、それらの就労系の在留資格での日本在留を望む外国人は、いったん日本を出国し、在留資格認定証明書を得た上で、在外公館に査証申請し、有効な査証を得て、再び上陸許可申請するのが原則です。しかし、それらの就労系の在留資格での日本在留を望む外国人が、「短期滞在」の在留資格で適法に日本在留中に、在留資格認定証明書を得て(入管法7条の2第1項は、在留資格認定証明書について、「本邦に上陸しようとする」外国人からの申請を想定していますが、実務上、日本国内に在留している外国人本人も申請できる扱いです。)、在留資格認定証明書を添付して、当該就労系の在留資格への変更申請を行った場合には、「やむを得ない特別の事情」があるとして、在留資格変更が許可されます。

確かに、在留資格認定証明書は、本来は日本上陸以前の段階で交付されることが想定されている制度です。しかし、本人が日本滞在中の在留資格認定証明書交付申請であっても、上陸許可基準適合性の審査の上で交付の
許否が決せられるので、このような審査を経て交付された在留資格認定証明書を添付しての他の在留資格への在留資格変更を認めても、上陸許可準適合性の審査をことさらに免れるという潜脱とはなりません。また、入
国管理局側にとっても、いったん出国させて再び上陸申請されるより、行政事務の効率化にもなります。

よって、「短期滞在」の在留資格で適法に日本滞在中に在留資格認定証明書を得たことが「やむを得ない特別の事情」となります。

なお、申請人本人が外国にいる間に代理人が在留資格認定証明書交付申請を行い、同証明書の交付を受けた後に、申請人本人が「短期滞在」で入国した上で、同証明書を添付して行う就労系の在留資格への在留資格変更
許可申請は、特別な事情(例えば、交付された在留資格認定証明書を添付して在外公館に査証発給申請を行い、査証の発給を受けてから入国するのでは、日本で予定されている活動に間に合わない場合等)があれば許可されます。しかし、これは、在留資格認定証明書の制度趣旨とは大きく異なる事態なので、「やむを得ない特別の事情」がないと判断される可能性も否定できません。したがって、基本的には、避けた方がよいです。日本で予定されている活動のスケジュール(例えば、工事着手時期やプロジェクト開始時期)等から、早期の入国が必要な場合には、在留資格認定証明書交付申請時に、具体的理由を記載した「早期審査願出書」(形式自由)を提出するとよいです。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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