『入管法の実務』

3-2-(2) 入管法7条1項1号


(入国審査官の審査)
第7条 (省略)
その所持する旅券及び、査証を必要とする場合には、これに与えられた査証が有効であること。

入管法7条1項1号は、「旅券及び査証の有効性の条件を規定しています。

ア旅券
旅券とは、入管法2条5号に定義されるものです。入管法2条5号は、イとして日本国政府、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券又は難民旅行証明書その他当該旅券に代わる証明書(日本国領事官等の発行した渡航証明書を含みます。)及びロとして政令で定める地域の権限のある機関の発行したイに掲げる文書に相当する文書を旅券としますので、結局、入管法上の旅券とは次のものを指すことになります(審査要領参照)。

① 国民旅券(いわゆるナショナル・パスポート)
② 国際機関発行の旅券(日本国政府が認めているものとして、国際連合通行証(レッセ・パッセ))
③難民旅行証明書(難民条約28条に基づき、日本国政府又は外国である難民条約締約国政府が発行するもの)
④ その他旅券に代わる証明書
a 外国人旅券(日本国政府が承認した外国政府が自国民以外の者に対して発行する旅券)
b日本国政府の発行する旅券に代わる証明書(日本人に対して発行する「帰国のための渡航書」、外国人に対して発行する「渡航証明書」があります。また、入管法26条2項の「再入国許可書」は、当該再入国許可に基づき日本に入国する場合に限り、入管法26条8項により旅券とみなされます。)
cアメリカ合衆国国土安全保障省市民権・移民帰化局発給の再入国許可書
⑤ 政令で定める地域の権限のある機関の発行した①ないしに掲げる文書に相当する文書(入管法施行令1条で定められている地域は、台湾及びパレスチナ(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区)です。)

なお、在留カード (法19の4) を携帯する中長期在留者(法19の3)を除き(法23 I ただし書)、日本に在留する外国人は、原則として、常に旅券を携帯することが義務付けられています(法231本文)。

入管法7条1項1号、3条1項1号所定の「有効な旅券」とは、①発行権限を有する者が適式に発行した「旅券」であること、②所持人の人定事項が正しく表示され、当該「旅券」の名義人と所持人の同一性の欺まんが生じていないこと、③一定の場合に「旅券」の効力がなくなることが「旅券」に明示されているものについては、その効力がなくなる場合に該当しないことという各要件を満たすものであることが必要です(『実務六法』13頁)。東京地裁平成26年6月25日判決((平24(行ウ)334) WLJP)も、特定の旅券が、入管法3条1項1号の「有効な旅券」にあたるといえるためには、当該外国人の国籍国の発行に係る当該旅券に記載された当該外国人の氏名、性別、生年月日等の身分関係に係る事項が真正なものであって、当該旅券の記載自体から当該外国人の特定が確実にされるに足りるものであることを要すると判示しています。

つまり、当該旅券が外国政府等により正規に発行されただけでは足りず、当該旅券の所持人の氏名、生年月日等の身分関係で当該外国において公的に正規に通用しているものが当該旅券に記載されており、当該旅券の記載自体から当該外国人の特定が確実になされるに足りるものであることが必要です。したがって、実在しない人物(例えば、旅券上の写真や生年月日は所持人本人のものとして正しいが、日系人性を偽るため偽名を用いる場合)や実在する他人になりすまして、当該外国から発給を受けた旅券を所持している外国人については、「有効な旅券」を所持していないと評価されます。このような旅券をもっての入国は不法入国であり、退去強制事由に該当します(法24①)。

「有効な旅券」か否かは、日本国の入管法の解釈に尽きるものであって、当該旅券を発行した外国政府の見
解によって当該旅券の有効性が左右されるものではないとされます(広島高判平18・3・23高検速報平18・1・271)。

上陸申請時に偽変造旅券を行使した場合には、不法入国容疑(法240.3I)により入国警備官に通報され、退去強制手続が執られることがあります。偽変造旅券又は他人名義旅券を行使の上、上陸許可を受けたことが後
日に判明した場合には、旅券自体が無効なものであるため、当該許可が当然に無効であり(上陸審判要領)、入管法22条の4第1項の在留資格取消制度による在留資格の取消しを行うことなく、不法入国者として取り扱われることとなります(審査要領)。

また、上陸申請時に入管法24条3号に規定する偽変造文書を作成・提供等した者であることが判明したときも、入国警備官に通報され、退去強制手続が執られることがあります(上陸審判要領)。

イ 査証の意義
査証とは、日本に入国しようとする外国人に対し、日本国領事官等が、①当該外国人の所持する旅券が真正であり、かつ、本邦への入国に有効であること、②与える査証に記す条件の下において当該外国人の本邦への入
国及び在留が差し支えないことを判断した旨の表示をいいます(東京地判平22. 7. 81AJ56. 12. 2865)。

査証事務に関する法的根拠は、外務省設置法4条13号において「査証に関すること」と規定されているのみであり、具体的な発給基準や事務処理手続は、法令上一切明らかにされていません。細目的基準等は、査証事務処理規則(平成12年外務省訓令6号)や在外公館長宛ての査証関係通達に記載されていると思われますが、不当に査証申請を受けようとする者に悪用される等の具体的な支障が生じるおそれがあるとして非公開とされています。(「査証事務処理規則別表等の一部開示決定に関する件」に係る情報公開・個人情報保護審査会平成22年3月16日答申(平成21年度(行情)答申598) 参照)。

査証を必要とする場合には、有効な査証を受けていることが、入管法上、上陸のための条件とされており(法71①)、査証発給を確実に受けることは実務上重要です。法務大臣等から在留資格認定証明書が交付されているにもかかわらず、在外公館(日本国領事官等)から査証が発給されないこともありますが、多くの裁判例は、査証の不発給は処分性(行訴3II)がないと判示しており(東京地判平22・7・8訟月56・12・2865、その控訴審たる東京高判平22・12コ) 253) 裁判所HP、東京地判平24・2・28(平23(行ウ)276) WLJP)、司法手続(抗告訴訟)で争うことすらできません(査証発給の処分性を否定するこれらの裁判例は、処分性の意義に係る最高裁判例と整合せず、不当であると解されます(山脇康嗣『入管法判例分析』29頁(日本加除出版、平成25年))。)。

このような理由から、査証制度の実際的内容は、不透明です。実務家としては、その重要性に鑑み、査証制度についても、できる限りの情報を認識しておくべきですので、裁判例上明らかになった限度で、査証事務処理
規則(以下「査証規則」といいます。)及び査証関係通達(査証発給拒否後の申請不受理期間について(平15・7・17領外合F21145))(以下「査証通達」といいます。)の内容を以下に示します。

【査証事務処理規則等の内容 (東京地裁平成22年7月8日判決が、「事案の概要」中、「関係法律及び訓令等の定め」として述べたもの)】

1 查証事務処理規則
(1) 査証規則1条(趣旨)は、査証規則は、外務省設置法4条13号及び7条の規定による査証に関する事務を遂行するため、査証制度の運用の原則、査証区分、査証官の指名及び査証の手続等の査証に関する基本的事項を定める旨を定めている。
(2) 査証規則2条(定義)は、査証規則において、領事官とは、外務省設置法10条2項に定める領事官等をいう旨(1号)を、査証とは、本邦に入国しようとする外国人に対し、領事官が査証規則の定めるところに従い、当該外国人の所持する旅券に付与する①当該旅券が真正であり、かつ、本邦への入国に有効であること(イ)、②付与する査証に記す条件下において当該外国人の本邦への入国及び滞在が差し支えないこと(ロ)の判断の表示(認定)をいう旨(3号)を、査証官とは、領事官の指名に基づいて、領事官の指揮監督の下に領事官に属する査証の権限を代行し、在外公館において査証に関する事務を行う職員をいう旨(5号)を定めている。
(3) 査証規則3条(査証制度の運用原則)は、査証事務は、日本国の利益及び安全の維持並びに日本国の外交政策の円滑な実施に資するとともに、外国に渡航し、又は滞在する日本国民の利益を衡量して運用しなければならない旨を定めている。
(4) 査証規則4条(査証区分)1項は、査証は、外交、公用、就業、通過、短期滞在、一般及び特定の7様に区分する旨を、同条2項は、1項に区分する各査証は、別表第1又は別表第2に定める渡航の目的に従い、当該別表に定めるところによる旨を定めている。そして、別表第2(就業査証)は、就業査証(技能)の処理要領として、提出書類欄には、査証申請書、写真、疎明資料(在留資格認定証明書を提示する場合は、原則として在留資格認定証明書の写し1部のみで差し支えない。)等を、渡航の目的(本邦において行おうとする活動) 欄には、調理人(中華料理人等)等、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動が該当する旨を、上陸許可基準欄には、調理師の場合には、料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され日本国において特殊なものについて10年以上の実務経験を有する者で、当該技能を要する業務に従事するものに該当し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることなどを定めている。
(5) 査証規則6条(査証申請の受理)1項は、査証官は、申請人又はその代理人(委任状による代理及び領事官が承認する旅行代理店等の代理申請機関を指す。)に対して、旅券(1号)、別表第2等の提出書類欄に定める提出書類(2号)等を携行して所定の日時に出頭させることを原則とし、査証申請を受理することとする旨を定めている。
(6) 査証規則7条(審査)1項は、査証官は、3条の規定及び次の各号に適合しているかどうかを審査するものとする旨を、7条3項は、別表第2の提出書類欄に定める在留資格認定証明書を所持する者からの申請については、原則として同条1項3号に適合しているかどうかについての疎明資料の提出を求めない旨を定めている。

ア 旅券が真正かつ有効であり、本国又は在留国への再入国の権利・資格が確保されていること(1号)。
イ 申請人が入管法5条1項の各号に定める上陸拒否者でないこと(2号)。
ウ 申請人の本邦において行おうとする活動が別表第1又は別表第2の「本邦において行おうとする活動」欄に定める活動に該当し、かつ、申請人等について入管法7条1項2号の基準を定める省令に適合すること(3号)。
工 申請人から提出された査証規則6条1項2号及び3号に掲げる書類が、適切かつ真正なものであること(4号)。

(7) 査証規則8条(経伺)1項は、査証官は、一定の場合には、査証発給の可否につき、外務大臣に経伺するものとする旨を定めている。
(8) 査証規則9条(査証の発給)1項は、査証官は、審査の結果、申請人が7条1項各号に定める要件に適合すると認めたときは、所定の様式により、それぞれの所定事項を記入して査証を発給するものとする旨を定めている。
(9) 査証規則11条(査証等の発給拒否)1項は、査証官は、審査の結果、申請人が7条1項に定める要件に適合しないと認めたときは、査証の発給を拒否するものとする旨を、同条2項は、査証官は、同条1項の規定に基づいて査証の発給を拒否したときは、申請人に対しその旨の通知を行うとともに当該旅券を返還するものとし、原則として個別の拒否理由については提示しない旨を、同条4項は、在留資格認定証明書を所持する者に対し査証の発給を拒否した場合には、在留資格認定証明書を速やかに外務大臣経由で法務大臣に返送しなければならない旨を定めている。

2 査証通達
査証通達1項は、査証発給拒否者より同一目的で再申請がある場合、6か月以内は原則として受理しない旨を定めている。査証には、外交査証、公用査証、就業査証(芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、介護)、通過査証、短期滞在査証、医療滞在査証、高度専門職査証、一般査証(文化活動、留学、就学、研修、家族滞在、技能実習)及び特定査証(家事使用人、利益代表職員、ワーキングホリデー、アマチュアスポーツ、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、その他)の9種類が存在します(査証規則4)。

入管法7条1項1号の「査証を必要とする場合」とは、入管法6条1項ただし書の規定に該当しない場合をいいます。すなわち、査証免除取決め等により査証を要しないこととされている国の国民の旅券、再入国の許可(入管法6条1項かっこ書により、入管法26条の2第1項又は26条の3第1項のみなし再入国許可を含みます。)を受けている者の旅券又は法務大臣から難民旅行証明書の交付を受けている者の当該証明書に該当しない場合です。

なお、台湾について、日本政府は、国又は政府として扱っておらず、入管法6条1項ただし書の「国際約束」又は「通告」を行うことができません。そのため、同項ただし書を根拠としては査証を免除することができません。

そこで、台湾居住者で観光等を目的として短期間日本に滞在しようとする者については、入管法6条1項本文の例外を定めた出入国管理及び難民認定法第2条第5号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律及びそれを受けた出入国管理及び難民認定法第2条第5号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律施行令に基づいて、査証免除措置がとられています。

日本は平成29年7月現在、後掲の68の国・地域との間に査証免除措置を実施しています。これらの諸国・地域人(一般旅券所持者)は、日本への商用、会議、観光、親族・知人訪問等を目的とする在留資格「短期滞在」に該当する場合には査証を取得することなく上陸申請を行うことができます。

ただし、これら諸国・地域の者であっても日本で報酬を受ける活動に従事する場合には査証が必要であり、また、それぞれの措置に定める期間を超えての滞在は適用外となるので査証取得が必要です。また、査証免除措置国であっても、査証取得勧奨措置がとられている国の場合は、実際には、査証の発給を得て上陸申請しないと原則として上陸は許可されない扱いです。

日本に上陸しようとする外国人は、入管法6条1項ただし書の規定に該当しない場合、原則として、有効な旅券を所持していることのほかに、所持する旅券に査証を受けていなければなりません(法61 本文・71①)。

査証は在外公館でしか取得できず、日本に到着した後に国内で取得しようとしてもできません(査証の発給は外務省設置法4条13号に基づく外務省の所掌事務です。)。査証は、日本国領事官等がその外国人の所持する旅券が権限ある官憲によって適法に発給された有効なものであることを「確認」するとともに、また、上陸港において上陸の審査に当たる入国審査官に対して、当該外国人の日本への入国及び在留が査証に記載されている条件の下において適当であるとの「推薦」(紹介)を行う性質を持っています。

査証は、法的には、日本国領事官等による入国審査官への、あくまでも「推薦」(紹介)です(査証そのものが入国(滞在)許可を保証するものではなく、上陸のための条件の1つにすぎません。)。したがって、有効な査証があれば(なお、査証の発給を受けている旅券が有効期限を経過している場合であっても、他に有効な旅券を所持しているときは、当該査証は有効なものとして取り扱われます。審査要領)、通常は上陸が許可されますが、査証を所持していても、入国審査官による上陸審査の結果、上陸拒否事由にあたるものであることが新たに発覚したり、あるいは、査証発給後の事情変更により上陸許可基準に適合しないことになったりすれば(例えば受入機関の倒産等)、上陸許可されないことになります。

なお、査証が有効と認められる場合であっても、上陸申請に係る日本において行おうとする活動が査証に記載された渡航目的と異なるときは、入管法7条1項1号に適合しないものとして措置され、よって、上陸が許可されないこととなります。ただし、「短期滞在」の在留資格に該当する活動を行うため上陸の申請が行われた
場合は、査証に記載された渡航目的のいかんにかかわらず、査証は有効なものとして取り扱われます(審査要領)。

「査証」は上陸港における入国審査官の審査が終了し、上陸許可が付与された時点で使用済みとされ(ただし、有効期限が満了していない「数次査証」については、有効期間満了まで使用済みとはなりません。)、それ以降当該外国人が日本で在留する上での根拠となるものは、入国審査官により押される上陸許可証印となります。

ウ査証の原則的発給基準
上記イのとおり、再入国許可を得ている場合を除いて、査証免除国の外国人が「短期滞在」以外の在留資格で上陸しようとする場合及び査証免除国でない外国人が上陸しようとする場合には、在外公館で査証の発給を受
けなければならないこととなりますが、その審査基準が問題となります。

原則として、査証申請者が、①申請人が有効な旅券を所持しており、本国への帰国又は在留国への再入国の権利・資格が確保されていること、②申請に係る提出書類が適正なものであること、③申請人が日本において行
おうとする活動又は申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、入管法に定める在留資格及び在留期間に適合すること、④申請人が入管法5条1項各号(上陸拒否事由)のいずれにも該当しないことという要件を全て満たし、かつ、査証発給が適当と判断される場合に査証の発給が行われることとされています(外務省ウェブサイト「ビザの原則的発給基準http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tetsuzuki/kijun.html(2017.8.21)。なお、査証規則7条1項参照)。

しかし、これ以外の細目的基準や事務処理手続は公にされておらず(行政手続法3条1項10号参照。査証事務に関する法的根拠は、外務省設置法4条13号に「査証に関すること」と規定されているのみであり、具体的な発
給基準や事務処理手続は、法令上明らかにされていません。)、裁量の幅が非常に広い行政行為です。

しかも、査証発給申請が一度不許可になった場合、原則として、6か月間は同一目的での査証発給申請自体が受け付けられません(査証通達1項。外務省ウェブサイト「ビザ・日本滞在 よくある質問」における「1. 申請まで」Q6に対する回答及び「3. ビザ発給・拒否」Q3に対する回答参照http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/faq.html(2017.8.21)。

なお、査証発給拒否時から大きく事情が変わった場合や、人道的理由からどうしても日本へ渡航する必要が生じた場合には、拒否時から6か月経過していなくとも、再度の申請が受理される場合もあります。)。不許可理由も詳しくは説明されないことが多いです(不交付の場合に、行政手続法の適用はないものの実務上は不交付理由が説明される扱いとなっている在留資格認定証明書の場合よりも、さらにブラックボックスであるといえます。)。

したがって、渡航目的に応じて、後記エの必要書類を確実に揃え、それにより発給基準を満たしていることを的確に立証する必要があります。査証発給のための審査期間は、必要書類が揃っていれば、通常、1週間程度です。ただし、必要書類は一応揃っていても、申請内容に疑問が持たれ実態調査が行われる場合には、それ以上の期間がかかる場合もあります。発給された査証は、原則として1回限り有効でその有効期間は3か月とされますが、各国との相互取決めなどにより、2回有効あるいは数次有効とされ、また、有効期間も1年あるいは5年とされる例もあります。なお、外務省作成に係る「査証事務の手引き」には、「再入国の許可証印が押印されている旅券又は再入国許可書所持者からの査証申請は、その許可期限終了前は、原則として受理しない(規則第6条第5項参照)。」と記載されています(「規則」とは査証事務処理規則を指します。)。

工 渡航目的に応じた査証申請手続
渡航目的には、大別して、観光等の短期滞在を目的とする場合と、就労等の長期滞在を目的とする場合とがあります。観光等の短期滞在を渡航目的とする場合には、在外公館から短期滞在査証又は通過査証の発給を得た
上で、入国審査官に上陸申請し(法6II)、上陸許可(法9I)により、「短期滞在」の在留資格を得ることになります。
就労等の長期滞在を渡航目的とする場合には、在外公館から就業査証、一般査証、特定査証等の発給を得て、入国審査官に上陸申請し、上陸許可により、「短期滞在」以外のそれぞれの活動に対応する在留資格(例えば、「技術・人文知識・国際業務」、「日本人の配偶者等」、「特定活動」等)を得ることになります。その他、やや特殊な場合として、日本において治療等を受けることを目的として訪日する外国人患者等及び同伴者が医療滞在査証の発給を求める場合があります。それぞれの渡航目的に対応する手続方法は以下のとおりです。
(ア) 短期滞在を渡航目的とする場合
日本に短期間(90日以内)滞在して、例えば観光、スポーツ、保養、親族・友人・知人訪問、競技会やコンテスト等へのアマチュアとしての参加、市場調査、業務連絡、会議、商談、契約調印、輸入機械等のアフターサービス等の商用、親善訪問、文化交流、自治体交流等を目的とする場合がこれに該当します(ただし、短期間の滞在であっても収入を伴う事業を運営し、又は報酬を得る活動は、この「短期滞在」の在留資格には該当しません。)。この場合の査証申請の方法としては、在外公館で申請人が直接査証申請を行わなければならず、代理人が日本国内で手続する制度はありません。すなわち、申請人本人が在外公館に査証申請を行い、査証発給を得て、当該申請人がその有効な査証を出入国港の上陸審査において提示し、上陸許可を受けることとなります。
短期滞在を渡航目的とする場合の査証申請必要書類について、i親族・知人・友人訪問又は観光の場合と、ⅱ短期商用等の場合とに分けて説明します。各提出書類は、発行後3か月以内のもの(有効期間の記載のある書類
は有効期間内のもの)を提出しなければなりません。また、外国の私的機関が発行する書類については、原則として、連絡先等が明記されたレターヘッド付きのものでなければなりません。後のトラブル発生に備えて自己の防御のため、在外公館に提出する書類全てについて、必ずコピーをとっておいてください。
なお、ここに挙げたものは原則的な場合についてのものであり、場合によっては、ここに挙げた書類以外のものが必要となる場合もあります。反対に、省略が認められる場合もあります。
もっとも、在外公館の現地スタッフ等から「この書類は不要だ」というようなことを言われても、少なくともここに挙げた書類については、受け取らせて、確実に日本人職員に読まれるようにしておいた方がよいです。現地スタッフは、書類の内容まで確認せずに、単にマニュアルにそって機械的に提出書類を指示しているにすぎないことも多いからです。
特別な事情がある案件においては、現地スタッフのマニュアルに掲載されている書類だけでは立証が不十分とされることがあり、不許可とされた場合の不利益の重大性に鑑みると、基本的には、「ある書類を提出するべきか否か迷ったら提出する」という姿勢が望ましいです。書類が不十分だったがゆえに不許可とされることは大いにありえても、書類が多かったがゆえに不許可とされることはありません。
外国人の出入国・在留に関する手続については、基本的に、要件適合性の立証責任は申請人側にあることを肝に銘ずるべきです。
この「提出するかどうか迷ったら提出する」という姿勢が望ましいという原則は、在外公館に対する査証発給申請のみならず、入国管理局に対する手続(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間
更新許可申請等)に関しても等しく妥当します。
ただ、あまりに無意味な書類を提出しても審査期間が延びるだけですから、その性質自体から提出の趣旨が明らかなものを除いて、各書類につき、今回の申請においてなぜその書類を提出するのかという「関連付け」(その書類の今回の申請における意味付け)の記載をそれぞれの書面中でしておくのが望ましいです。
ⅰ親族(原則として配偶者、血族及び姻族3親等以内の関係。血縁関係はあるもののこれらの親等内にない場合でも、「友人」や「知人」訪問目的で短期滞在査証を取得できます。)・知人・友人訪問又は観光の場合
(i) 査証申請人自身が準備する書類
① 旅券
② 査証申請書
③ 写真(6か月以内に撮影したもの)
④ 日本から出国するための航空便又は船便の切符又はこれに代わる運送業者の発行する予約確認書、証明書、保証書等
⑤ 招聘人との親族関係又は知人・友人関係を証明する資料(親族関係につき、親族関係公証書、出生証明書、婚姻証明書等。知人・友人関係につき、知り合った経緯やその後の交流の内容を説明する文書、旅券の写し等渡航・在留歴を立証するもの、写真、手紙、メール、国際電話通話明細書、送金(品)控え等)
※フィリピンの出生証明書はNSO(国家統計局本部)発行のSecuritypaperを使用した本を提出する必要があります。文字がつぶれて読めない又は端が切れて情報が確認できない場合は、市町村役場発行の出生証明書もあわせて提出します。なお、出生届が遅延登録の場合は、別途、洗礼証明書、学校成績表 (小学校又は高校)、卒業アルバムもあわせて提出する必要があります。また、フィリピンの結婚証明書についても、NSO発行のSecurity paperを使用した謄本を提出する必要があります。
⑥ 渡航費用支弁能力を証する資料(公的機関が発給する所得証明書、預金残高証明書、納税証明書等)
⑦ 査証申請人の本国での身分関係事項・居住関係事項を明らかにする書類(出生証明書、身分証明書の写し、運転免許証の写し、居住証明書、婚姻証明書、履歴書等)
※査証申請人が中国人の場合は、戸口簿写し、居住証又は居住証明書(中請先の大使館、総領事館の管轄地域内に本籍を有しない場合)が必要です。
(ii) 日本側身元保証人が準備する書類(日本側身元保証人が、作成したものを査証申請人が在外公館に提出します。)
① 身元保証書
②在職証明書(会社経営者の場合は商業登記事項証明書。個人事業主の場合は営業許可証の写し又は確定申告書控えの写し)
年金を受給している等の無職者で在職証明書を提出できない場合は、該書面を提出できない理由書を提出します。
③市区町村が発行した直近の総所得が記載された課税(又は納税)証明書、税務署が発行した納税証明書又は税務署受理印のある確定申告書控の写し(いずれも総所得金額が記載されているもの。源泉徴収票は不可)
④住民票(世帯全員分で続柄が記載されている全事項証明)
※招聘人である無職の者が別途身元保証人を立てている場合等、招聘人と身元保証人が異なるときは、招聘人に係る住民票も必要です。
※外国人が身元保証人である場合には、その資格要件は適法に在留資格(原則として就労可能資格)を有し、現在日本に在留中の者である必要があります(在留期間「3年」以上の在留資格を有する者でないと認められな
いと指示される場合がありますが、日本での生活関係が安定し、素行等に特に問題なければ、在留期間「1年」の在留資格しか有しない者でも、身元保証人になることができます(婚約者を招聘する場合等)。)。また、身元保証人を複数立てることもできます。
⑤ 身元保証人が外国人の場合は、旅券の写し(身分事項及び出入国・在留許可関係のページ)、有効な在留カード又は特別永住者証明書の表裏の写し
(ⅲ) 日本側招聘人が準備する書類(日本側招聘人が作成したものを査証申請人が在外公館に提出します。)
① 招聘理由書
※査証申請人を招聘する日本在住の親族・知人が具体的に招聘理由を明らかにして作成します。例えば、日本在住の子が査証申請人である親を招聘する場合には、日本在住の子が作成します。招聘理由が日本にいる親族の出産介護、病気介護、結婚式参加等の場合には、出産予定日が記載されている医師の診断書、結婚式場の予約証明書等、招聘理由を具体的に裏付ける資料を添付します。
② 滞在予定表(行動日程表)
※可能な限り詳細に作成します。1日ごとの行動予定、連絡先、宿泊予定先等を盛り込みます。
③ 住民票(世帯全員分で続柄が記載されている全事項証明)
※身元保証人と招聘人が同一世帯である場合は不要です。
④在職証明書(会社経営者の場合は商業登記事項証明書。個人事業主の場合は営業許可証の写し又は確定申告書控えの写し)
※身元保証人と招聘人が同一の場合は不要です。
⑥招聘人が外国人の場合は、旅券の写し(身分事項及び出入国・在留許可関係のページ)、有効な在留カード又は特別永住者証明書の表裏の写し
※身元保証人と招聘人が同一の場合は不要です。
⑦ 親族訪問の場合は、親族関係を証明する資料(戸籍謄本等)
ⅱ短期商用等の場合(報酬を伴う活動は認められません。報酬を伴う活動を行う場合は、短期査証発給申請ではなく、在留資格認定証明書を添付しての就業査証発給申請が必要となります。)
(i) 査証申請人自身が準備する書類
①旅券
② 査証申請書
③ 写真(6か月以内に撮影したもの)
④ 日本から出国するための航空便又は船便の切符又はこれに代わる運送業者の発行する予約確認書、証明書、保証書等
⑤ 在職証明書等職業を証する文書
⑥ 渡航費用支弁能力を証する資料(所属先からの出張命令書、派遣状、これらに準ずる文書)
⑦ 査証申請人の本国での身分関係事項・居住関係事項を明らかにする書類(出生証明書、身分証明書の写し、運転免許証の写し、居住証明書、婚姻証明書、履歴書等)
※査証申請人が中国人の場合は、上記のほかに、戸口簿写し、居住証又は居住証明書(申請先の大使館、総領事館の管轄地域内に本籍を有しない場合)、所属先の営業許可証写し、所属先の批准書写し(合弁会社の場合)
が必要となります(ただし、公務普通宇護照(因公パスポート)にて査証申請する場合は不要です。)。
(ii) 日本側招聘機関等が準備・作成する書類(招聘機関は原則として法人、団体、国又は地方自治体が予定されていますが、例えば大学が交流を目的として教授又は准教授名により招聘する場合等には、招聘機関として認められます。また、外国人の国籍国によっては、個人招聘でも、商業登記事項証明書又は会社・団体概要説明書の代わりに「在職証明書」を提出することにより招聘が認められることがあります。)
① 招聘理由書
※日本の株式市場上場企業等でない場合には、査証申請人との従前の取引の内容、取引額、今回の商談・会議内容、必要性等について具体的に説明するとともに、それを裏付ける客観的書類(会社間の取引契約書、会議資料、取引品資料、輸出入関係手続書類、インボイス、インビテーションレター等)も添付すべきです。
② 滞在予定表
※可能な限り詳細に作成します。
③ 身元保証書
④ 招聘機関に関する資料
※国又は地方公共自治体の場合は不要です。
a 法人登記済み機関の場合:商業登記事項証明書(発行後3か月以内のもの)
※日本の株式市場上場企業の場合は、最新版の「会社四季報」写しに替えて差し支えありません。それに対して、中小規模の会社の場合等は、会社の業務内容をより明らかにするとともに、経営の安定性・継続性に問
題がない(よって、責任を持って査証申請人を招聘できる状態にある)ことを立証するため、商業登記事項証明書に加え、財務諸表(貸借対照表や損益計算書等)も提出した方がよい場合もあります。
b 法人未登記機関の場合:会社・団体概要説明書、案内書又はパンフレット等、招聘機関の概要を明らかにする資料
C 大学教授・准教授や個人による招聘の場合:在職証明書
(イ) 就労あるいは長期滞在を渡航目的とする場合
日本の査証は9区分あり、そのうち就業査証は13の種類に分かれます(芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、介護)。これらの就業査証を取得し入国した場合には、当然のことながら就労することができます。
この中で一般的な職種としては、例えば外国企業社員の長期駐在、外国の知識を生かした日本企業への就職、コンサート・演劇・スポーツ等の興行活動、外国語教師としての教育活動等が挙げられます(「企業内転勤」、「技術・人文知識・国際業務」「興行」等の在留資格に対応します。)。就労はできないが、留学等一定の基準を満たせば、長期滞在が認められる活動もあります。このほか、身分又は地位により長期滞在が認められる在留資格としては、例えば「日本人の配偶者等」、「定住者」があります。
これらのケースの査証申請手続は、上記(ア)の「短期滞在目的」のケースとは異なり(法7の21 かっこ書)、あらかじめ日本国内の入国管理局に対して、在留資格認定証明書の交付申請手続を行うことができます(法7の2)。
この在留資格認定証明書を取得した上で、在外公館に査証申請する場合には、在外公館において申請人が在留資格認定証明書なしで査証申請手続を行う場合(就労あるいは長期滞在を渡航目的とする場合は、後述のように、法的には可能であっても、在留資格認定証明書なしで査証申請手続を行うのは避けるべきです。) と比較して、短期間に査証を取得することが可能となります。
在留資格認定証明書とは、外国人が上陸審査の際に日本で行おうとする活動が虚偽のものでなく、かつ、入管法上のいずれかの在留資格(入管法7条の2第1項かっこ書・7条1項2号かっこ書から、「短期滞在」、「高度専門(2号)」、「永住者」は除かれます。)に該当する活動である等の上陸のための条件(法71②)に適合していることを証明するために、法務省所管の各地方入国管理当局において事前に交付される証明書のことです。「短期滞在」の在留資格を得るための在留資格認定証明書はありません(法アの21かっこ書)。したがって、「短期滞在」の在留資格で入国しようとする外国人は、在外公館に直接、査証発給申請するしかありません(査証免除国の国籍を有する外国人が、「短期滞在」の在留資格で入国しようとする場合は、いきなり、出入国港において入国審査官へ上陸許可申請を行うこととなります。)。
また、「永住者」の在留資格で上陸許可されることはありませんので(法71②かっこ書)、「永住者」の在留資格を得るための在留資格認定証明書もありません。在留資格認定証明書を所持している場合には、(外務省本省へ調査・照会されずに)在外公館限りで査証の発給が受けやすくなり、また、出入国港での上陸申請時に同証明書を入国審査官に提示すれば、在留資格該当性等の上陸のための条件適合性の立証を容易に行うことができるため、査証及び上陸審査手続のための審査時間が短縮される利点があります。
この在留資格認定証明書の申請手続は、各地方入国管理局等において日本国内の代理人等(当該申請人の雇用先等受入機関の職員、親族、申請代理・取次資格を持つ弁護士・行政書士等)が申請することができるので、長期的に滞在しようとする場合は、あらかじめ在留資格認定証明書を取得しておくことが査証申請を行う上で得策です。もっとも、在留資格認定証明書を所持している場合であっても、在外公館における査証審査の過程で、例えば、就労先の会社が経営不振に陥り採用を中止したといったように同証明書発行後に事情変更があった場合とか、事情変更ではないが、偽造された書類を提出して同証明書の発給を受けたことが判明したような場合には、在留資格認定証明書を所持していても査証の発給は受けられないことになります。
法務省入国管理局の入国審査官が在外公館(外務省)に査証発給担当職員として派遣されている場合(在中国日本大使館等)には、特に厳しく、査証発給申請が審査される傾向にあります。例えば、入国管理局が交付した「技能」の在留資格認定証明書を添付しての査証発給申請であっても、例えば、本当にその実務経験があるかを確かめるインタビューや在職証明書を発行した料理店が実在するかの実態調査が厳格に行われたりします。
査証発給申請が一度不許可になった場合、原則として、6か月間は同一目的での査証発給申請自体が受け付けられません(査証通達I)。不許可理由も詳しくは説明されません。さらには、添付した在留資格認定証明書も返却されません。
よって、在留資格認定証明書を添付して行う場合でも査証発給申請は慎重に行うべきです。添付する在留資格認定証明書は必ずコピーをとっておいてください。査証発給申請が不許可になったために、再度、在留資格認定証明書交付申請をする場合の有力な立証資料となります。
就労あるいは長期滞在の場合でも、法的には、在留資格認定証明書の交付申請を経ずに直接在外公館に査証申請することはできます。しかし、受理されても、多くの場合、申請書類が在外公館から各地方入国管理局に回
付されて審査が行われることとなり、多大な時間がかかることになりますし、そもそも在留資格認定証明書を得てから査証発給申請を行うよう行政指導され、受理されないことも多いです。
したがって、「短期滞在」の在留資格で上陸する場合を除き、在留資格認定証明書を得てから、在外公館で
査証発給申請する場合が一般的です。この在留資格認定証明書を取得する方法には次の(1)及び(2)の方法がありますが、原則として (1) の代理人等を通じた方法が一般的であり、(2)の方法は申請人がたまたま日本に在留している場合に行われ(国外にいる外国人本人から直接、郵送により在留資格認定証明書交付申請を行うことは認められていません。)、再び出直し入国をする場合等に限られます(ただし、後述するとおり、申請人本人が日本に適法に滞在している間に在留資格認定証明書の交付を得られた場合には、出直し入国をせずとも、同証明書を添付して在留資格変更申請を行うことができます。)。
※就労あるいは長期滞在を渡航目的とする場合の査証申請必要書類
「短期滞在」 査証以外の全ての査証(「外交」 査証、「公用」査証及び「医療滞在」査証を除きます。)に共通の必要書類
① 査証申請書
②写真
③旅券
④査証申請人の本国での身分関係事項・居住関係事項を明らかにする書類
※査証申請人が中国人の場合は、戸口簿写し、居住証又は居住証明書(申請先の大使館、総領事館の管轄地域内に本籍を有しない場合)が必要です。
⑤在留資格認定証明書原本及びその写し
※交付された在留資格認定証明書は、原則として、日本国の在外公館であれば世界各国どこの在外公館でも使用できますが、在留資格認定証明書交付申請書に記載した「査証申請予定地」(在留資格認定証明書交付申請
書に記載する「査証申請予定地」は、必ずしもその外国人の本国所在地でなくともよいです。)にある在外公館での査証申請が望ましいです。
査証申請する在外公館の管轄地域の外に本国や常居所地を有する外国人の査証申請については、その査証申請する在外公館の管轄地域内に長期居住していることを証明する書類の提出が要求されることもありますし、本国や常居所地を管轄する在外公館での査証申請を指導されることもあります。海外取引業務を本国以外の地をベースとして行っているため、当該本国以外の地から日本に向かう等、何らかの理由で、本国所在地以外の在外公館での査証申請を希望する場合は、あらかじめ、合理的な理由(例えば、海外取引業務を本国以外の地をベースとして行っていること)を説明する書面を添付した上で、「査証申請予定地」を本国所在地以外の在外公館とした在留資格認定証明書交付申請をしておくべきです。
中国人が次の就業査証、一般査証、特定査証を申請する場合は、上記の共通必要書類に加えて、以下の書類が必要となります。これは、在留資格認定証明書がある場合でも、在外公館において、さらに査証発給のための
条件(入国のための条件)を満たしているかを審査するためです。
「技能」(就業査証):①雇用契約書②履歴書
「興行」(就業査証):①契約書 ②経歴書 ③芸歴を証する書類
「留学」(一般査証):①質問票 ②卒業証明書 ③経費支弁者の在職証明書
「家族滞在」(一般査証)、「日本人の配偶者等」(特定査証)、「永住者の配偶者等」(特定査証)、「定住者」(特定査証):質問票
(ウ) 日本において治療等を受けることを渡航目的とする場合(医療滞在査証)
i 医療滞在査証の意義
医療滞在査証は、日本において治療等を受けることを目的として訪日する外国人患者等及び同伴者に対し発給される査証です。治療等とは、日本の医療機関(日本に所在する全ての病院及び診療所)の指示による全ての
行為を意味し、人間ドック、健康診断、検診、歯科治療、療養(90日以内の温泉湯治等を含みます。)等を含みます。
大使館又は総領事館において、銀行残高証明書等の提出をもって、「一定の経済力を有する者」であると認
められた外国人患者等が対象となります。外国人患者等の親戚だけでなく、親戚以外の者であっても、必要に応じ、同伴者として同行が可能です(同伴者については、必要に応じ、外国人患者等と同じ査証が発給されま
す。)。なお、同伴者は、外国人患者等の身の回りの世話をするために訪日する者であり、収入を伴う事業を運営し又は報酬を得る活動はできません。
同伴を希望する者のうち、侍医、看護師、専属介護者、心理カウンセラー、家事使用人(執事、秘書、料理人等)等で日本において行う活動の対価として給付を受ける場合は、その活動は報酬を受ける活動であるとみなされ、原則として認められません。
役務提供が日本国内で行われ、その対価として給付を受けている場合は、対価を支給する機関が日本国内にあるか否か、また、日本国内で支給するか否かに関わらず、「報酬を受ける活動」にあたります。
ⅱ査証の種類、有効期限、滞在期間
必要に応じ(受入れ医療機関及び査証官が必要と判断した場合)、外国人患者等に数次有効の査証が発給されます。ただし、数次有効査証が発給されるのは、1回の滞在期間が90日以内の場合のみです。
数次有効の査証を申請する場合には、医師による治療予定表の提出が必要となりますので、身元保証機関を通じて入手します。査証の有効期限は、必要に応じ(外国人患者等の病態等を踏まえて決定されます。) 3年です。
滞在期間は、最大1年です。滞在期間は、外国人患者等の病態等を踏まえて決定されます。滞在予定期間が90日を超える場合は、入院が前提となります。この場合、外国人患者等は、本人が入院することとなる医療機関の職員又は日本に居住する本人の親族あるいはそれらの者から委任を受けた弁護士や行政書士を通じて、地方入国管理局から、「特定活動」(特定活動告示2525)に係る在留資格認定証明書を取得する必要があります。
ⅲ提出書類
①旅券
②写真
③ 査証申請書
④医療機関による受診等予定証明書及び身元保証機関による身元保証書
※日本の医療機関で治療を受けること等を希望する外国人患者等は、登録された身元保証機関(国際医療交流コーディネーター、旅行会社等)のいずれかに連絡し、受診等のアレンジについて依頼します。身元保証機
関を通じて、受入れ医療機関を確定し、身元保証機関から、医療機関による受診等予定証明書及び身元保証機関による身元保証書を入手します。
⑤一定の経済力を有することを証明するもの(銀行残高証明書等)
⑥本人確認のための書類
⑦「特定活動」(特定活動告示2525)に係る在留資格認定証明書
※入院して医療を受けるため、90日を超えて滞在する必要がある場合のみ必要となります。
③ 数次にわたり治療のために訪日する必要がある場合(数次有効査証の発給を受ける必要がある場合)は、治療予定表

 

 


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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