『相続実務のツボとコツ』

3-1 相続税とはどのような税金か?


<相続税は、何に対してかかる税金か?>

相続税とは、相続又は遺言によって財産を取得した人に対し、取得した財産の額に応じて課税される税金です(参考:相続税法第2条第1項)。

なお、相続税を支払うのは、相続等によって財産を引き継いだ方、つまり遺族です。相続税の支払額は故人の財産を基準に課税されますが、亡くなった人は納税を行うことができません。そのため、相続等によって財産を引き継いだ遺族等が相続税を支払うこととなります。

<財産額がいくらから相続税がかかるのか?>
故人の財産を引き継いだからといって、必ずしも相続税がかかるわけではありません。相続税には基礎控除額というものがあり、この金額の範囲内であれば相続税がかからないことになっています。

「基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数」

※詳細は6-1節を参照してください。

つまり、法定相続人が1人の家庭では3,600万円、相続人が2人の家庭では4,200万円以下の遺産であれば相続税はかかりません。ただし、相続税がかかる財産は、現金や銀行預金などの、いわゆる「お金」に限りません。持ち家はもちろん、株式や家財に保険金まで、相続税がかかる財産の範囲はとても広く設定されています。

これらの遺産を考慮すると、相続税の基礎控除額を超え、相続税の支払いや相続税の申告書の提出が必要になるケースは多くあります。

<相続した財産額に応じ、相続税を支払う金額が変わる>
故人の財産が基礎控除額を超えたとしても、途端に相続税が何百万円、何千万円かかるわけではありません。

相続税は、故人の財産額が基礎控除額を超えた部分にかかります。そのため、基礎控除額を少し超えたぐらいでは驚く程の相続税はかかりません(相続税の支払い額の目安は3-2節を参照)。具体的な計算例は上記の表にまとめられていますが、相続人が支払う相続税は、概ね、次の流れで計算されます。

① 相続人全員にかかる相続税の総額を計算する
②1人当たりが支払う相続税額の計算(①で求めた相続税を、財産を相続した割合であん分する)

①相続人全員にかかる相続税の総額を計算する
相続税は、故人の財産に対してかかる税金です。そのため、まずは相続税の総額(故人の財産にかかる相続税のトータル金額)の計算を行います。この過程で、相続人全員(相続人である配偶者、子(長男)、子(次男))が負担する相続税の合計金額が決まります。

②1人当たりが支払う相続税額の計算(で求められた相続税を実際に財産を相続した割合であん分する)
遺族ひとりひとりに実際にかかる相続税は、①で計算した相続人全員が負担する相続税の総額を基に、財産を相続した割合であん分する仕組みとなっています。そのため、相続した財産が少ない人は相続税の負担も少なくなる一方で、相続した財が多い人は相続税の負担が多くなります。

このような仕組みからだれがいくら相続税を負担することになるのかは、遺産をどのようにわけるか決定するまでは把握することができません。

 


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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