遺言、相続に強くなる!

3-1 「遺言能力」があるうちに作成する


これから遺言書を作成するにあたり、まず最初に知っていただきたいのは、遺言書の作成には「遺言能力」が必要だということです。遺言書は、15歳以上であれば誰でも作れますが、その前提として、遺言の内容を理解し、その結果どうなるかを認識できる能力(遺言能力)が必要なのです。

「そんなの、あるに決まっているだろう」と思う人もいるかもしれません。しかし、あなた自身が遺言書を作るのではなく、両親や祖父母に遺言書を作ってもらおうと考えている場合、果たしてそう簡単に言い切れるでしょうか。

もし、彼らが高齢や病気のため、すでに判断能力があやしくなっていて、財産の内容もろくに把握していないのに、まわりがサポートして少々強引に遺言書を作ったらどうなるでしょう。

たとえ形式的には有効だとしても、相続発生後、「あのときは遺言能力がなかったから遺言は無効だ」として、不利益を受ける他の相続人が裁判に訴えるかもしれません。

もっとも、必ずしも認知症だから遺言書が作れないというわけではありません。公正証書遺言の場合、公証人が遺言者の様子を見たうえで、特に問題がないと判断する場合もありますし、医師の診断書を取得したうえで遺言書を作る場合もあります。

また、判断能力は多少低下していても、「自宅を配偶者に相続させる」といった単純な内容なら、将来、裁判で有効と認められる可能性が高いでしょう。一方、税理士が相続対策を立てたうえで遺言書の下書き
をしたようなケースでは、「本人がそんな高度な内容を考えられるわけがない」ということで、無効になる可能性が高くなります。

●タイムリミットは72歳?
「私はまだ、遺言書を書くのは早いから」と、85歳ぐらいの女性がいうのを筆者は耳にしたことがあります。それでは、一体何歳ならちょうどいい年齢なのかと思ったものです。

まだ早いからとか、病気になってからでいいなどと先延ばしをしているうちに、もう遺言書を作れない状態になっている可能性があると考えてはみないのでしょうか。

人が心身共に健康でいられる年齢(いわゆる健康寿命)は、72~75歳といわれています。遺言書を作るには時間とエネルギーが必要なので、あまりのんびりしていると間に合いません。遅くとも72歳になるまでに、遺言書を作成することをおすすめします。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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