『相続実務のツボとコツ』

1-3 相続が起きたときにどのような問題がある?


<そもそも相続とは?>
相続とは、人の死亡によって開始し、その人に帰属していた一切の権利義務を相続人へ承継させる制度のことを言います。人はいつか死を迎えますが、その人が持っていた現金や土地、有価証券等の財産ほか、借金などの負債を含めた一切の権利義務は、その後もなおこの世に残り続け、相続人に承継されることになります。その人に属する権利義務が誰に承継されるかの決まりがなければ、もともとの債権者や債務者は非常に困るでしょうし、残された家族も住んでいた家を引き継げないとなると大きな問題となり、社会経済が混乱してしまいます。そこで、「相続」という制度により、権利義務が引継がれる仕組みが規定されています。

<遺産分割で親族間の争いに>
まず問題となるのが、相続により、いったい誰がどの財産負債を承継するのかということです。昨今では、遺産分割事件も年々増加傾向にあります。高齢化による相続件数の増加や、核家族化、不況による財産への関心の高まりなど、いくつかの原因が考えられる中で、特に兄弟姉妹間の相続トラブルが多いようです。そして、相続財産が自宅だけのような資産総額が5,000万円以下の家庭でも相続トラブルとなるケースは多いということにも注目すべきでしょう。実家に住みたいという意見や、売却して現金が欲しいという兄弟姉妹間の意見の食い違いが、骨肉の争いになることも少なくありません。

また、遺産分割を行う際には、遺留分、寄与分、特別受益などの相続特有問題や、分けることの難しい不動 価格評価に関して相続人間で揉めることも多くあります。このように、遺産分割の問題は家庭ごとに様々です。遺言書はあるのか、生命保険金や信託財産など遺産分割の対象とならない財産はあるかなど、誰がどの財産を引き継ぐのかを事前にしっかり検討することで、未然に防げる相続トラブルは多いものです。

<相続で財産が減ってしまう>
相続手続きでは、相続税の問題もあります。相続人の人数や資産の多寡によって相続税の負担額が左右されるため、相続が発生する前から早めに把握しておくことが重要です。また、相続税は、相続開始後10か月以内に原則現金で納付する必要があるため、手元に現金がなければ、延納や相続した不動産などの売却を検討しなければいけません。物納を検討する場合には、確定測量など要件整備が必要となりますので、時間や費用がかかるケースがあります。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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