『会社設立のポイント』

2-9-(1) 決算期の決め方


●決算期と事業年度
会社の売上・経費を計算して、利益または損失を算出するために、一定の期間を設ける必要があります。この期間の区切りを「決算期」といい、決算期から次の決算期までを会社法では「事業年度」と呼びます。
事業年度は1年以内であればよいので、1年に2回決算を行ってもよいのですが、中小企業にかぎらずほとんどの企業は1年に1回としています。

●会社の繁忙期の観点から考える
決算期をいつにするかについては、特に決まりはありません。そのため、まずは「会社の1番忙しい時期を避ける」というのが1つのお勧めです。なぜなら、決算期から2カ月以内に税務申告があるので、繁忙期(忙しい時期)に決算を迎えてしまうと、書類の整理や棚卸などの決算準備と重なってしまって大変になるからです。特に、初年度は慣れていなくてわからないことも多いでしょうから、ゆっくりと決算ができる閑散期にすることをお勧めします。

●消費税の観点から考える
資本金が1,000万円以上の会社は、設立第1期から消費税を納める必要があります。
しかし、1,000万円未満の会社であれば、設立第1期は消費税を納める必要がありません。では、そのような会社は、設立第1期を何カ月にすれば有利になるのでしょうか。消費税がかからないのであれば、できるだけその事業年度を長く取ったほうがよいと思いがちですが、一概にそうともいえません。

 

第2期の消費税を納めるか否かは、設立当初6カ月間の売上と給与のいずれかが1,000万円以下であるか否かによります。つまり、いずれかが1,000万円以下であれば、第2期も消費税はかかりません。ただし、いずれも1,000万円を超えたとしても、第1期が7カ月以下であれば、第2期は消費税がかかりません。したがって、1,000万円以下と予想されれば、第1期はできるだけ長く取ったほうが有利になりますし、1,000万円を超えると予想されるのであれば、第1期を7カ月以下としたほうが有利になります。

 

《設立日と7カ月以下となる決算月の関係
・5月1日設立 → 決算 11月30日
・7月15日設立→ 決算1月31日(末日を決算とする場合)※
・11月23日設立 → 決算5月31日(末日を決算とする場合)※
※ 決算を月末とする場合には、7カ月目の「前月」としてください(もう1カ月間余計に取れる例外的な日もいくつかありますが、少し複雑になるためここでは省略します)。

ちなみに、7カ月以下であるからといって、設立第1期をあまりに短くするのは考えものです。
たとえば、8月1日設立で決算期を8月31日とした場合、わずか1カ月で決算を迎えてしまいます。設立したばかりであわただしく、売上があまりないにもかかわらず決算を行わなければいけません。

 

●資金繰りの観点から考える
会社の資金繰りを考え、税金を納める時期(決算期末より2カ月後)に、会社の資金が潤沢になっていることも重要です。
たとえば、5月を決算期末とした場合、7月末日には税金を払わなければならないので、納税に対応できる資金計画を立てておきましょう。

〇まとめ
・決算期は会社の閑散期にする
・初年度の事業年度は通常1年未満となるので注意が必要
・消費税の免税のメリットを活かすために、初年度の長短に配慮する
・税金は決算後2カ月以内に納めるため、年間の資金繰りも考える


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

 お問い合わせ
contents
↓応援ポチ感謝です↓
にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
様々な法律知識