『会社設立のポイント』

2-8-(1)「会社の目的」とは?


●「目的」を決めるための3つのポイント
会社の目的とは「その会社で何をするのか?」を簡潔にまとめたものだと理解すればよいでしょう。
たとえば、新しく会社を起ち上げてレストランの経営をやろうとするのであれば、最もシンプルな会社の「目的」は「飲食業」になります。会社は、「目的」として記載している事業の範囲内でだけ活動することができ、「目的」に書かれていないことは「法律上できない」とされています。
もっとも、やりたいことなら何でも会社の目的にできるわけではなく、会社の目的には「適法性」「営利性」「明確性」がなければならないとされています。

①適法性とは?
会社は、公序良俗に反することを目的として事業を行うことはできません。したがって、「詐欺、脅迫」「麻薬の販売」といった犯罪行為を目的として定めることはできません。これが「適法性」の要件です。

②営利性とは?
会社は利益を上げ、利益を株主に分配するために事業を行うわけですから、「ボランティア活動」や「寄付」など、非営利の活動だけを目的にすることはできません。これは、会社の本質に反してしまうからです。これが「営利性」の要件です。もちろん営利活動が会社の本質であるといっても、付随的に会社が非営利の活動を行うことが禁止されているわけではなく、近年ではそのような活動も CSR(企業の社会的責任)として推奨されるものになっています。

③明確性とは?
会社の目的は、誰が見てもわかるように、周知の言葉でなければなりません。これが「明確性」の要件です。
たとえば、いわゆる業界用語や新しい言葉は誰でも知っているものではないので、登記ができない可能性があります。「広辞苑」「イミダス」「現代用語の基礎知識」などに掲載されているかどうかなどを参考に、広く
知られている言葉を用いる必要があります。

 

特にアルファベットのみの略語やカタカナ表現の外来語を使いたい場合には、注意が必要です。こうした言葉も、日本語の表現に書き換えたり、カッコ書きで説明を加えたりすれば登記が可能となる場合があります。

 

会社の事業のメインとなるキーワードであるとか、こだわりがあってどうしても使いたい場合は、法務局と相談しながら上記のような方法を検討してみてください。

 

例)
× 「CIのコンサルタント」
○ 「コーポレート・アイデンティティ(企業のカラーやシンボルなど、統一されたイメージを発信すること)のコンサルタント」
※ CIはコーポレートアイデンティティの略です。
上記は一例であり、必ずしもすべての法務局で認められるわけではありません。

 

●まとめ
・会社が行う事業を「目的」という
・目的を決める際は、「適法性」「営利性」「明確性」の3つのポイントに気をつける


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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