『会社設立のポイント』

2-3(4) 登記はできるけど商号が使用できない場合もある


どのような商号を用いるかは原則として自由ですが、もし、ある会社の商号とまったく同じ商号をいくらでも用いることができるとすれば、どれが本当にその会社なのかわからず、社会が混乱してしまいます。

 

また、マネをされた会社は信用を傷つけられて損害を被ることになりますし、マネをした側はほかの会社の信用を利用して不当な利益を得る結果になってしまいます。そこで、他人と同じ、あるいは似た商号を用いることは、商法・会社法以外の法律によっても規制されています。

●不正競争防止法によって使用できない場合
「不正競争防止法」では、他人の著名な商号と同一もしくは類似の商号を利用することを「著名表示冒用行為」として禁止しています。また、著名とまでいえなくても、少なくとも一定の地域において需要者の間に
広く認識されている商号と同一もしくは類似の商号を使用するなどして、他人の商品や営業と混同させることも「混同惹起行為」として禁止されます。こうした行為に対しては、その商号の使用の差し止めや損害
賠償が認められることになります。

逆にいえば、自分の商号を決めるときには、他人から「マネ」をしたとして損害賠償や差し止めの請求を受けることがないように、他人の商号と「同一」でないだけでなく「類似」した商号を避ける必要があります。
ここでは、マネをしたほうに「悪気」があったか否かを問わず、差し止めや損害賠償請求が認められる可能性があることに注意が必要です。

類似しているかをどうやって判断するかですが、裁判例などからは、見た目・呼び方・イメージなどを総合的に見て類似しているかどうかを判断するのが一般的です。しかし、判断基準としてはかなり曖味ですから、「類似しているかどうか」の判断に迷う場合には、事前に、弁理士や弁護士などの専門家に相談をしましょう。

●他社の商標は商号として使用できない?
「商標」は、「商号」と名前は似ていますがまったくの別物です。商標は「自社の商品・サービスを他社商品などと区別するために、その商品などに使用するマーク」のことを指し、文字だけでなく、図形、記号、立体的なものもあります。そして「商標権」とは、会社がその商標を独占的に使用できる権利のことです。この商標権を得るためには、特許庁に出願し、商標登録を受けることが必要です。

 

商号との関係では、会社が自己の商号ないし商号の一部を商標として製品やサービスに使うことは一般的によくあります。したがって、すでに商標登録がなされている他社の商品、サービスなどと同一、類似の商号を用いて営業を行うと(たとえば自社の製品に表示するなど)、結果として他社の商標権を侵害したことになり、損害賠償や差し止めの請求を受ける可能性があることになります。これを避けるためには、登録商標の確認をしなければなりません。

すでに登録されている商標については、「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat), (https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)」で簡易検索ができますので、まずはこのような方法で
調査をしてみるのがいいでしょう。簡易検索については、無料で行うことができ、登録も不要です。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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