『会社設立のポイント』

2-3(2) 商号を決めるときのルール


商号は、あなたの好きなように決めることができますが、設立の登記はできても、後々トラブルになる場合もあるので、一定を守ってください。

①同一の住所で同一の商号はダメ
まったく同じ住所でまったく同じ商号では会社の区別ができないため、登記することはできません。 同じ住所でないかぎりは、同じ都道府県、同じ町内であってもかまいません。
例)
東京都中央区銀座一丁目2番3号 株式会社パールコンサルティング
東京都中央区銀座三丁目2番1号 株式会社パールコンサルティング
※ 同じ商号ですが、本店住所が違うので登記は可能です。しかし、一丁目2番3号に重複して同じ商号の会社の設立登記をすることはできません。

②必ず「株式会社」を入れる
株式会社であることを表示するために、商号の前か後ろに「株式会社」の文字を入れなければなりません。ちなみに、商号の前に「株式会社」が入っている(株式会社○○)のを「前株」、後ろに入っている(○○株式会社)のを「後株」と言ったりします。

なお、「株式会社」に代えて「K.K.」「Co.,Ltd.」といった英文表記を登記することはできません。

また、株式会社であるのに「合同会社」と表示するなど、ほかの種類の会社と誤認される名称を登記することもできません。

(登記できる例)株式会社パールコンサルティング、バールコンサルティング株式会社
※「株式会社パールコンサルティング」と「パールコンサルティング株式会社」は、「株式会社」の位置が違うため同一の商号とはみなされません。
(登記できない例)パールコンサルティングCo.,Ltd.、株式会社バールコンサルティング合同会社

③支店、部署など会社の一部門を商号に入れることはできない
(登記できない例)パールコンサルティング東京支店株式会社、パールコンサルティング法務部株式会社

④公序良俗に反する商号は使用できない
道徳に反する言葉やわいせつな言葉は使用できません。
(登記できない例)株式会社盗品売買、詐欺請負株式会社

⑤一定の業種においては必ず使用しなければならない文字がある
銀行や信託銀行、保険会社などは、法律上、その業種を表す文字を商号の中に使用しなければなりません。また、逆に、それらの業種ではない会社が、「銀行」「信託」「保険」などといった文字を使用することはできません。

⑥使用できる文字は決まっている
使用できる文字漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字、小文字)、アラビア数字(算用数字)、一定の符号※。
※ &(アンパサンド) ・(中点)  .(ピリオド)    -(ハイフン)    '(アポストロフィー)    , (コンマ)

上記の符号は、字句を区切る際の符号に用いる場合のみ使用できます。称号の先頭や末尾に用いることはできません。また、「.(ピリオド)」は、その直前にローマ字を用いた場合に、省略を表すものとして称号の末尾に使用することができます。なお、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合にのみ、スペースを用いることもできます。

(使用できない文字)?!など、前記以外の符号、I、I、Ⅱといったローマ数字
(使用できる例)株式会社A&A、株式会社 Dream Consulting、7775式会社、株式会社ABC日本印刷(ローマ字と日本文字を組みあわせた商号は使用できます)
(使用できない例)&A株式会社、!!!株式会社、株式会社 Dream※1、ABC Service Co., ltd エイビーシーサービス株式会社※2
※1 複数の単語を表記する場合ではないため「株式会社」と「Dream」の間にスペースを入れることはできません。
※2   英文の商号と日本文字による商号とを併記して登記することはできません。また、ローマ字商号にフリガナを付して登記することもできません。

【コラム】商号の名板貸
商号は自分の会社を示す大事なものであり、安易に他人に使用させてはいけません。
たとえば、誰かが「お金を払うから、あなたの会社の商号を取引に使わせてください。決して迷惑はかけませんから」と持ちかけてきても応じてはいけません。その人があなたの会社の商号を使用して取引をした場合、その責任はあなたの会社にもおよぶことがあります。
このように、自己の商号を他人が使用し営業するのを許可することを「名板」といいます。お金ほしさに名板貸を了解してしまうと、相手が行方をくらまし、取引先にあなたの会社が支払いをしなければならなかったりと、不測の事態に陥る可能性があります。名板貸を持ちかけてくること自体あやしいので、くれぐれも注意しましょう。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

 お問い合わせ
contents
↓応援ポチ感謝です↓
にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
様々な法律知識