遺言、相続に強くなる!

2-1 ケース1 本当に口約束だけで実現できる?


○「口約束」はトラブルのもと
「親が亡くなったあと、「お父さんは生前、自宅を俺にくれると言った」などと誰かが言い出して、きょうだいげんかになることは珍しくありません。しかし、本当に父親がそう言ったとしても、口約束は法的に有効
な遺言ではないため、この場合、長男が父親の家をひとりじめすることはできません。

遺言書が残されなかった場合は、相続人全員で話し合い(これを「遺産分割協議」といいます)、合意のうえで遺産を分ける必要があります。

しかし、このケースでは長男が父親から生前、「家をあげろ」と口約束されたため、もし長女が、「家を含めて遺産を平等に分けよう」と言い出せば、不満を抱いてトラブルになる可能性が高いでしょう。

仮に、父親が所有する二世帯住宅に長男が住んでいた場合、長女のいうとおりに平等に分ければ、長男は住む場所を失うことになりかねません。

もし父親が、本当に長男に自宅をあげたいと考えているのなら、単なる口約束ではなく、きちんとした遺言書を作るべきです。そのつもりもないのに口先だけで調子のいいことを言うのは、将来のトラブルの種をまくのと同じ、無責任な行為といえるのではないでしょうか。すでに子どもに口約束してしまったという人は、今すぐ遺言書を作ることをおすすめします。

●遺言書で長男には自宅を、長女には預貯金を相続させる
長男に自宅を相続させたいのなら、遺言書で、長男に自宅の土地建物を相続させ、長女には遺留分以上の預貯金を相続させましょう(正確な金額はわからないので、概算で少し多めに)。そうすれば将来、長男は自宅を相続でき、長女が自分の取り分に不満を抱いたとしても、大きなトラブルにはならないはずです。

また、不動産と預貯金以外の財産をすべて長男に相続させるようにすれば、家財道具などこまごました財産や、遺言書を作ったあとに増えた財産についても長男のものになり、いちいち長女と遺産分割協議をする必要がなくなります。遺言執行者や、祭祀主宰者(葬儀で喪主になる人)も、希望するなら遺言で指定しましょう。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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