遺言、相続に強くなる!

1-2 相続トラブルを防ぐための 方法とは


近い将来、相続発生が予想される場合は、ある程度の現金を手元に用意するなど、事前に備えましょう。遺言書を作るのも有効です。
「まとまった現金を手元に用意しておく」
●葬儀費用の目安は100万円から 200万円程度
人が亡くなった直後に、家族が預貯金口座からキャッシュカードでお金を引き出すと、相続トラブルのきっかけになる場合があるので、葬儀費用や入院費用を支払える程度の現金を用意しておきましょう。
葬儀費用は、10人程度の家族葬なら50万円から70万円程度、友達や仕事関係者も参列する一般葬なら100万円から200万円程度が目安となります。香典を受け取る場合は、香典返し(おおよそ香典の30%から50%)を除いた金額を葬儀費用にあてることができます。
故人が共済や生命保険に加入していた場合は、遺族が手続きをすれば数日程度で保険金を振り込んでもらえるはずです。
※トラブル予防ポイント
①入院費用や葬儀費用の支払いのために、生前のうちにまとまった現金を手元に用意しておく。
②現金があまりない場合は、共済や生命保険に加入する。
③相続発生の前後に、故人の預金口座からキャッシュカードでお金
を引き出す場合は、他の家族の同意を得たうえで、何に使ったか
の記録(領収書など)を取っておく。
『OnePoint 相続発生後、預貯金をすぐに引き出せる制度ができたけれど....』
2019年の相続法改正により、遺産分割協議の前に、相続人が預貯金を引き出せる制度ができました。1金融機関あたりで引き出せる上限は、次のどちらか低い金額です。
・150万円
・相続開始時の預金残高×法定相続分×1/3
それでも葬儀費用が支払えないような場合は、家庭裁判所の仮処分で預貯金を引き出すことも可能です。ただ、手続きも煩雑ですし、他の相続人との関係が悪化するおそれがあるので、やはり遺産分割協議を行ってから預金を引き出すのが望ましいといえるでしょう。
遺産相続は、遺言書があればトラブルを防げる!
●預貯金の名義変更・解約
遺言書というと、法定相続分とは違う遺産分けを希望する場合に作るものと思っている人がいるかもしれません。でも、預貯金を法定相続分どおりに分ける場合でも、遺言書があると大きな力を発揮するのをご存じでしょうか。それは、相続手続きが迅速になることです。
遺言書で、特定の相続人に預貯金を相続させるとともに、遺言執行者を指定している場合は、相続人が何人いても、遺言執行者が1人で相続手続きを行うことができます。原則として、相続人全員で遺産分割協議を行ったり、同意書を書いたり、印鑑証明書を集めたりする手間がはぶけるので、公正証書遺言の場合であれば、1か月程度で相続手続きをスピーディーに終わらせることが可能なのです。
※トラブル予防ポイント
遺言執行者を指定した遺言書があれば、その人だけで預貯金を解約できる。
○株式など有価証券の名義変更
預貯金と同様に、株式などの有価証券についても、遺言書があれば相続手続きをスピーディに行えます。投資の知識や経験がある相続人に相続させるようにして、相続発生後はすみやかに遺言を執行すれば、タイミングよく株式などを売買できるので、損失が出るのを防げる可能性が高まります。
※トラブル予防ポイント
投資経験のある人に有価証券を相続させるように遺言し、相続発生後すみやかに遺言を執行すると損失を防ぎやすい。
●不動産の名義変更
「不動産を相続させる」と遺言した場合、受遺者は1人で不動産の名義を変更できます。第三者に遺贈する際に、遺言執行者を指定した場合は、遺言執行者が1人で手続きできます。死後すみやかに相続登記を行えば、他の相続人が勝手に持ち分を第三者に売却するのを防げるので、相続トラブルを防ぐためにも遺言書を作ったほうが安心です。
※トラブル予防ポイント
遺言書があればすみやかに相続登記ができ、他の相続人とのトラブルを予防できる。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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