遺言、相続に強くなる!

1-1 亡くなったあとの 遺産相続の流れ


遺言書を書く前に、遺産相続が通常どのようにして行われるのかを確認しましょう。それぞれのトラブル発生ポイントと、どうすればトラブルを防げるのかを解説します。

死亡(相続発生)

葬儀費用などの支払い
「トラブル発生ポイント」
①名義人が亡くなったことが金融機関に伝わると、預金口座が凍結される
→家族が葬儀費用のために定期預金を解約しようとしても、そのままではお金が引き出せない。
②亡くなる前後に、家族の誰かがATMでお金を引き出す
→「勝手に使い込んだのでは」と、後日他の家族から不信感を抱かれる。
③家族がキャッシュカードでお金をおろそうとしても、暗証番号がわからなくておろせない
→入院費用や葬儀費用を家族が立て替えることになる。

 

 

預貯金の名義変更・解約
「トラブル発生ポイント」
①預貯金の引き出しや名義変
更・解約には、相続人全員の同意と実印・印鑑証明書が必要
→1人でも協力しない相続人がいると、相続手続きができない。
②相続法の改正により、相続人全員の同意がなくても1行あたり150万円まで引き出せることになった
→実際に誰かがお金を引き出すと、あとで「勝手に引き出した」と他の相続人から責められる可能性がある。
③相続手続きには通常2、3か月かかる
→故人が家族の生活を支えていた場合、預貯金が引き出せないと家族が生活に困る。

 

 

株式の名義変更や証券口座の解約
「トラブル発生ポイント」
①有価証券の名義変更・解約には、相続人全員の同意と実印・印鑑証明書が必要
→1人でも協力しない相続人がいると、相続手続きができない。
②相続手続きには、通常2、3か月かかる
→その間に有価証券の価格が低下して、損をする可能性がある。
③故人がインターネットで取引していたため、紙の記録が残っていない場合
→家族が証券口座の存在に気付かず、相続手続きができない。
④投資に慣れていない人が有価証券を相続した場合
→売買のタイミングがわからず、損をする可能性がある。

 

 

不動産の名義変更
「トラブル発生ポイント」
①不動産の名義変更には、相続人全員の同意と実印・印鑑証明書が必要
→1人でも協力しない相続人がいると、相続手続きができない。
②とりあえず共有名義にした場合
→時間がたつうちに、家族が亡くなって相続人が増え、売却や賃貸が難しくなる。
③相続人全員の同意がなくても、持ち分の登記は可能
→相続人のひとりが勝手に持ち分を登記して売却したり、お金を借りる可能性がある。

 

相続終了

 

※相続手続きができないことは珍しくない
預貯金や不動産などの相続手続きには、準備期間も含めてそれぞれ数か月かかります。しかしそれは、家族仲に問題がなく、話し合い(遺産分割協議)がうまくいった場合の話。実際には、誰がどの財産をもらうかでもめて、いつまでたっても貯金を引き出せなかったり、不動産の名義変更ができないことは珍しくありません。どうしても遺産分割協議がまとまらなければ、最終的には裁判に持ち込まれ、解決に費用と時間がかかることになってしまいます。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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