『建設業実務家養成講座』

1 受任のために「準備」しておくべきこと


受任するためには、そもそも建設業許可とは何か、どのような相談者がいるのか、情報の入手方法等を知っておく必要がある。また、業務を遂行するうえで、心強い仲間となる「アドバイザー」「パートナー」について説明する。

1-1. 建設業を知る
建設業許可について、その枠組みを理解しておくことが受任するうえでの前提となる。
(1) 建設業許可とは(建設3)
建設工事は、例外を除き、許可を取得した業者でなければ行えない。なぜなら、建設工事およびそれを通じて建築された建物等の出来不出来が、国民生活に多大な影響を及ぼすからである。
たとえば、家・マンションの購入はそこに住み続けることを前提とする。すなわち、命を預けることと同じである。その家・マンションがいい加減な作りをされていると生命に危険を及ぼすこともある。

①許可は業種別に必要となる(建設3②)
一口に建設工事といってもさまざまな形態がある。そのため,建設業法は,業種を29業種に区分している。
業種は大きく分けて,一式業種(2業種)と専門業種(27業種)に分けられる。

・一式業種:「原則として元請業者の立場で土木と建築に関して総合的な企画,下請業者等への指導,調整のマネージメントを行いつつ、自社および複数の下請業者等の建設技術を用いて大規模かつ複雑な土木・建築工事を施工するための業種」のことをいう。すなわち、「高度な建設技術の提供」と「工事全体のマネージメント」の2つを行う業種のこと。
・専門業種:各専門的工事を施工するための業種のこと。

では,大型マンションの建設で業種を見てみよう。

まず、ゼネコン(ゼネラルコントラクトの略。総合契約者たる総合工事業者)が注文者から工事を受注する。
次にゼネコンが下請業者に,杭打ち等基礎,鉄骨・鉄筋の組立て等を行うために躯体,仕上工事,設備工事等を発注する。
さらに下請業者は、一人親方を含む業者(孫請)に工事を発注する。
以上のように,建設業は、「下請構造」で成立している。

このようにゼネコンは,工事全体を監督する役割を担い,下請業者の力を借りて工事を行うのである。
工事の内容によって、必要となる技術・施工能力は異なる。そのため下請業者は各専門の業者ごとに区分されている。このような状況に対応するために,建設業法における業種は細分化されているのである。

【ここが実務のポイント②】建設業法の業種に新たに「解体工事業」が追加
建設業法改正が行われ,平成28年6月1日より業種(建設別表第1)に新たに解体工事業が追加されることになった。従来,解体工事は「とび・土工工事業」に該当していたが、今回の法改正により、「とび・土工工事業」に含まれる「工作物の解体」を独立させたのである。
新規で解体工事業を希望する者については、平成28年6月1日から解体工事業の許可が必要となる。
もっとも,平成28年6月1日時点で既に「とび・土工工事業」の許可で解体工事業を行っている建設業者については経過措置が設けられている。
その内容は、施行日(平成28年6月1日)から3年間は,引き続きとび・土工工事業の許可を有していれば、解体工事業の許可を受けなくても引き続き解体工事業を営むことができるとしている【建設業法附則(平成26年6
月4日法律第55号) 第3条】。引き続き解体工事業を希望する者は,経過措置期間内に解体工事業の許可取得に向けて準備する必要がある。

【ここが実務のポイント】解体工事業の登録と建設業許可との区別
建築物等を除去するための工事を解体工事業という。建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称「建設リサイクル法」という)により、解体工事を営もうとする者は都道府県知事の登録を受けることが必要である。
この解体工事業の登録と建設業許可(「とび・土工工事業」。平成28年6月以降は「解体工事業」)との違いは一言でいえば、解体工事の請負金額が500万円以上か否かによる。
請負金額が500万円以下であれば、解体工事業の登録のみでいいが、500万円以上であれば、建設業法に基づき建設業許可(「解体工事業」が必要。但し,平成33年3月までは、「とび・土工工事業」でも可とする)が必要となる。

●Column 2 許可業種の中で多い業種と少ない業種
許可業種の中でも、業者の数が多い業種と少ない業種があります。
平成28年3月末現在、許可を取得している業者の数が多い業種は、
①とび・土工工事業(全体の34.7%)
② 建築工事業(全体の33.8%)
③ 土木工事業
となっています。一方,取得している業者の数が少ない業種は

①清掃施設工事業(全体の0.1%)
②さく井工事業(全体の0.5%)
③電気通信工(全体の3.0%)
となっています。

一般的に,「建設工事」と聞いて思いつくのが,家やマンションの工事でしょう。その工事に係わる, 「建築工事業」の許可が一番多いのは納得いきます。一方,「清掃施設工事業」は、ごみ処理施設等の工事です。需
要が少ないので取得許可業者が少ないことも納得がいきます。
(国土交通省公表の「建設業許可業者数調査の結果について-建設業許可業者の現況(平成28年3月末現在)」より)

② 「一般建設業」と「特定建設業」の許可がある(建設3①-・二)
(「下請け保護の必要性)による)

建設業の許可を取得すれば,請負金額に関係なく工事を受注できる(但し,許可業者ということになると,配置技術者を置く必要が生じるので,注意を要する)。
もっとも,下請業者保護の観点から,一定以上の高額な工事を行う場合には許可の区分が存在する。
建設工事の規模が大きくなればなるほど,工事を受注した元請業者から各専門の下請業者へ,さらに小さな会社や一人親方などに孫請けをするという複雑な階層構図を有する。会社間の力関係も相まって下請・孫請の会社の立場は不安定になりやすい。
そうなると建設業法が掲げる「建設工事の適正な施工」という目的が達成できないおそれがある。
そこで、下請・孫請保護の観点から建設業法は建設業の許可を「一般建設業」「特定建設業」の2つに区分した。
このように,一般建設業より特定建設業の許可要件を厳しくした理由は、下請保護のためである(建設30二)。

③ 「知事許可」と「国土交通大臣許可」がある(建設30 「営業所の場所」による)

1つの都道府県でのみ建設業法に基づく「営業所」を設ける場合は「知事許可」を取得しなければならない。
許可」(大臣許可)を取得しなければならない。
一方,都道府県をまたがって,「営業所」を設置する場合は「国土交通大臣許可」(大臣許可)を取得しなければならない。

なお,建設業法の営業所とは,実質的に営業活動をする場を指す。
「登記上の支店」, 「工事事務所」, 「作業所」, 「事務連絡所」等の形式的な場ではない。つまり,営業所として「実質的に活動をするか否か」がメルクマールとなる。

④許可には有効期間がある(建設3)
許可の有効期間は5年である。
有効期限後も維持して,建設業の許可を取得したい場合には,「更新手続」を監督官庁に申請しなければならない。

【ここが実務のポイント④】いつから更新手続をはじめるか
いつから更新手続が可能かは、都道府県によって異なる。ある都道府県では、5年間の有効期間の満了する日の30日前までに手続きを行うこととされている。更新をしないと許可の効力は失われることになる。更新の受付期間の確認は重要である。

(2) 建設業許可の要件(一般建設業・知事許可)
建設業の許可を取得するには,許可要件(建設業許可取得のための条件)を満たすことが必要である。監督官庁は,申請人が提出した許可申請書に基づいて
許可要件を満たしているか否かを確認する。確認できない場合,許可を取得す
ることは当然できない。
監督官庁は,「人材」「施設」「財産」の「3つの観点」から検討する。以下,
3つの観点に基づき,建設業の許可要件を説明する。
なお,建設業許可の要件の説明を書籍上で行おうとすると,正確性を期する
がゆえに建設業法の文言をそのまま引用する等,煩雑になるケースが多い。
また,書籍の性質上,法改正や運用の変更にも適宜対応できない場合も多い。
本書の立ち位置が「業務フローに重点をおいた実務の入門書」であることを
考えると、説明することは妥当ではなく,他の専門書等に委ねたい。
なお,本書はこれから建設業業務を行う者を対象とした「実務の入門書」で
ある。したがって,依頼の可能性が高く,許可形態として基本となる「一般・
知事許可」を中心に説明する。
以上をご理解のうえ、読み進めていただきたい。

 

① 「人材」要件
建設業を営むに必要かつ十分な経験者がいることが要件となる。
イ) 経営業務の管理責任者(経営業務管理責任者)がいること(「建設業経営経験者の存在」建設7-,15-)
「建設業の経営経験を十分有する者」,すなわち,建設業法は「建設業に関する経営面でのプロ」を許可要件として求めている。
要件は次のとおりである。
申請者が法人の場合は,常勤の役員の一人(業務を執行する社員,取締役等。監査役は除く)が、申請者が個人事業主の場合は,個人事業主本人またはその支配人のうち一人が,主に次の①から③の要件のいずれかを満たすこと(この点については法改正により、平成29年6月30日より施行されているので注意すること)。
① 取得したい建設業の許可業種につき「5年以上」経営経験を有すること
②取得したい建設業の許可業種以外の業種につき「6年以上」の経営経験を有すること(平成29年6月30日以前は「7年以上」)
③ 経営業務管理責任者に準ずる地位の者の場合
(a) 経営業務の執行につき、取締役会の決議を経て,取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受け,かつ,その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験を有する者については「5年以上」とする。
(b) 取得したい建設業の許可業種につき「6年以上」経営業務管理責任者に準じる地位で経営業務を補佐していたこと(平成29年6月30日以前は、「7年以上」)
【ここが実務のポイント⑤】経営業務管理責任者に準じる地位の経営経験
「③経営業務管理責任者に準じる地位の経営経験」については、各都道府県で取扱いが異なる。③を要件として申請する場合は,依頼者にその旨を伝えること。また申請前に必ず窓口に相談すること。
たとえば取得したい許可が内装工事業の場合,内装工事につき5年の経営経験があれば①の要件を満たす。また,内装工事以外の工事(たとえば,塗装工事)につき6年以上の経営経験があれば、②の要件を充たす。
ロ)営業所に専任の技術者(専任技術者)がいること(建設7二,15二「資格・実務経験等を有する技術者の配置」)
「建設業の技術の資格・実務経験を有する者」
すなわち,建設業法は「建設業に関する技術面でのプロ」を許可要件として求めている。すべての営業所に,専任の技術者が居ることを要する。
具体的には次のから③の要件のいずれかを満たすことが求められる。
①取得したい建設業の許可業種に見合った資格を有する者がいること。(建設7二該当。 P218-223【資料2】【資料3】参照)
②取得したい建設業の許可業種に関し,「10年以上」の技術上の経験を有する者がいること(建法7二口該当)
③取得したい建設業の許可業種に関し、「学歴(指定学科卒業。建設別表第2。P224 【資料4】参照)」と「一定期間の技術上の経験」を有する者がいること(建設7二八該当。学歴によって、3年、5年と期間が短縮される)
もっとも②、③につき、電気工事・消防施設工事については,電気工事法,消防法に基づいて無資格者の実務経験は原則として認められないことに注意を要する。
【ここが実務のポイント⑥】特定建設業の特殊性〈その1〉(専任技術者の要件)
一般建設業の場合に比べ、その要件は厳しくなる。
具体的には、以下のいずれかに該当することが必要となる。
1) 取得したい建設業の許可業種につき特定建設業許可が要求する資格を有する者がいること(建設15ニイ該当)
2)取得したい建設業の許可業種に関し技術上の指導監督的実務経験を有する者がいること(建設15ニロ該当)
3) 国土交通省の認定を受けた者がいること(建設15二八該当)
注) 指定建設業(建設15二ただし書)
特定建設業のうち、さらに指定建設業というカテゴリーがある。指定建設業とは「土木工事業」、「建築工事業」「管工事業」,「鋼構造物工事業」,「舗装工事業」、「電気工事業」,「造園工事業」の7業種をいう。工事内容の技術の難易度が高いこと等を総合的に判断して、専任技術者につき,それに対応するような国家資格者(1級の国家資格者,技術士,国土交通省認定者)であることが必要となる。
一般建設業
特定建設業(指定建設業も含む)

ハ) 法人の役員等,個人事業主,支配人,支店長・営業所長などが「欠格要件」等に該当しないこと(建設8,17)。
欠格要件の具体例は次のとおりである。
①建設業許可の取消処分を受けて欠格期間が5年未満の者
②営業停止を命じられ,その停止の期間を経過していない者
③禁固刑以上の刑の執行に処せられ,その刑の執行を終わり,またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年未満の者
④建設業法、建築基準法,暴力団対策法,傷害罪・暴行罪・脅迫罪等の刑法などの法律に違反して,罰金刑以上の刑の執行に処せられ,その刑の執行を終わり,またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年未満の者
⑥暴力団員でないこと,または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者

二)許可申請者(個人事業主・法人)の誠実性(建設7三,15-)
許可申請者(個人事業主・法人)が、契約締結・履行の際,詐欺・脅迫等の違法行為(不正な行為)または工事内容や工期等の請負契約に違反する等の不誠実な行為をするおそれがないことが必要である。
② 「施設」要件:建設業の営業を行う事務所を有すること(建設3)
営業所とは、本店,支店,または常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指す。一般的に、外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の業務を行うことができる状況にある場所のことをいう。
営業所の所在地により、申請先となる役所が異なる。
なお、営業所に経営業務の管理責任者等(建設工事の請負契約締結等の権限を与された建設業法施行令3条に規定する使用人も含む)、専任技術者が常勤していことが必要となる。
③「財産」要件
財産的基礎・金銭的信用を有すること(建設7円,15三,昭和47年建設省通達)
新規の一般建設業の許可の場合には、次の①②のいずれかが要件となる。
①直前の決算において、自己資本額(純資産額。資産額から負債額を差し引いた額)が500万円以上であること
②申請の直近1か月以内の金融機関の預金残高証明書で,500万円以上の資金調達能力を証明できること
なお、都道府県によって、財産要件の取扱いが若干異なる。判断に迷ったら申請窓口に事前相談すること。
【ここが実務のポイント⑦】
特定建設業の特殊性<その2>(「財産」要件について)
一般建設業の場合に比べ、その要件は厳しくなる(建設15日)。
具体的には、以下のすべてに該当することが必要となる。
ア 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
イ 流動比率が75%以上であること
ウ 資本金の額が2,000万円以上であること
エ 自己資本の額が4,000万円以上であること
【ここが実務のポイント⑧】特定建設業の手続きは慎重に
特定建設業許可については、前述P28特定建設業の特殊性<その1>(専任技術者の要件), P30特定建設業の特殊性<その2〉(「財産」要件について)が,毎年,維持されているかを確認する必要がある。特に,財産要件については、更新手続の際に、その要件を満たさないと、更新が不許可になるので、注意が必要である。
<Column 3 相談者目線で説明する>
開業して間もない頃、正確性を意識し過ぎて、相談者に対して許可要件の説明を一方的に詳細に説明していました。
しかしある時,相談者から「先生,要するにどういうことですか?説明が細かすぎてよくわかりません」と聞き返されてしまったのです。
それ以来,簡潔に説明することを心がけるようにしました。たとえば、面談の冒頭で次のように説明しています。
「建設工事って、しっかり行わないといろんな人に迷惑をかけるから、『信用』がとても大事です。だから建設業者は、経営と技術の「専門家」がいて、そして、一定の「財産」が確保されていて、かつ「営業所」もあ
ることが求められているのです。」
すると、相談から、「ところで、経営の専門家って何ですか?」と質問されて自然と会話が続くようになっていったのです。

1-2. 相談者の型を知る
受任するためには、どのような者が相談に訪れるかを知っておく必要がある相談者は、事業の規模とコンプライアンス意識によって次のように区分できる。

(1) 「規模」による型分け
大型マンション建設は、注文者からゼネコンが受注し,それを専門の下請業者・孫請業者に工事を発注するという「下請構造」で成り立っていると説明をした。
下請構造が成り立つ原因に,建設業界に決まった繁忙期がないことが挙げられる。不確かな大規模工事の受注に備えて,技術者等の建設現場で従事する人を常に雇用していたら、膨大な人件費が会社経営を危うくしてしまう。
そこで,建設工事を請け負った時に,「その建設工事に必要な専門の建設業者,職人の力を借りる」という下請構造が建設業界で定着したのだ。

<まとめ>
行政書士の業務の対象は、②の下請業者、③の孫請業者が主流になる。
なお、①のゼネコンについては、専門の部署があるので、行政書士の範疇外と決めつけがちであるが、そのグループ会社全体の許認可状況を把順し維持していくことは、本来であれば建設業法を理解している者でなけれ
ば難しい。
その意味で、行政書士がその業務にフィールドを広げる可能性は十分にあるし、現に行っている行政書士事務所もある。
その意味では、業者の規模に係わらず行政書士の能力によってはなる可能性がある。
(2)「コンプライアンス意識」による型分け
コンプライアンス(法令遵守)の意識の高低で型分けができる。
「法律を遵守して業務を行いたい」と考えている者もいる一方,許可取得を「上(ゼネコン等)から押し付けられたもの」とみなし,「法律よりまずは仕事を受注できればいい」と考えている者もいる。
【ここが実務のポイント⑨】遵法意識が欠如している相談者への対応
行政書士は、遵法意識が欠如している者に関与すべきではないと考える。そのような者は、言葉巧みに虚偽の書類の作成を依頼してくることもある。経験を積むと相談者の雰囲気や話振りで判断できるようになる。たとえば、「請求書」の内容について請負金額を含めてつじつまが合わない場合や、入札参加資格のランクを上げるために架空の工事をでっち上げるような依頼があれば、即お断りの案件である。
1-3. 「知識」「情報」を収集する
建設業許可申請には、その複雑さゆえに困難さを伴う。そのため、相談者と面談する前に申請手続に関する「知識」と「情報」をしっかり収集しておく必要がある。ここでは収集方法等について説明する。
(1) 収集方法
実務で必要な「知識」「情報」は、莫大かつ複雑である。しかも、実務は経験知の高さが必要とされる。だからといって、何年も修業しているわけにはいかない。
そこで、筆者の経験を踏まえて、短時間に効率よく、知識と情報を習得して実務に対応できる方法を以下のとおり提示する。ぜひ実践していただきたい。
①ステップ1
本書を読み込む。実務の入門書として「本書」を利用し,「実務のイメージ」を習得する。
書き込んだりして、本書を「オリジナルの参考書」にする。

②ステップ2
各都道府県の「建設業許可の手引書』と建設業法の条文を解説しているコンメンタール等とともに条文を確認しながら読む。これにより,本書では記載が不足している書式の書き方などが,法律の根拠とともに学べ,実務と知識との間の溝が埋まっていく。
③ステップ3
専門書や役所発表の資料や通達・ガイドラインを読む。
後述する専門書や役所が公開している資料や通達・ガイドラインを読む。両者は難解な箇所が多数ある。細部にこだわらずに,「大枠をとらえる」感覚で十分である。
(2) アドバイザーを確保する
アドバイザーとは、「不明な点」が生じたときに相談できる者のことである。アドバイザーを確保するには次の3つの方法がある。
①専門性を有する同業の行政書士に聞く
個々の行政書士との日々の交流が大切である。但し,単なる食事・飲み仲間になるなど慣れっこの関係とは一線を画するものである。お互いを尊重し,配慮し合う関係になることをいう。

② 行政書士会に聞く
通常都道府県の行政書士会で,会員のための相談会を開催している(東京会では、月1回会員のための相談日を設けている)。
③役所の担当者に問い合わせる
本来,役所の担当者は,行政書士のアドバイザーではない。しかし,手続きが円滑に進めば、依頼者の利益のみならず,役所の利益にも資する。
役所に問い合わせる時は,常に相手に対して,敬意と配慮を払いながら接することが重要である。担当者の時間を必要以上に奪わないように、質問事項を絞って確認することが必要である。
なお、残念ながら、行政書士の中には,役所の担当者と論理的に議論できない者がいる。専門家として恥ずべきことである。
業務をすみやかに遂行して依頼者とのトラブルを回避するうえで、いざというときに相談できるアドバイザーを確保しておくことは極めて重要である。
<Column 4 「これは!」という先生を見つけよう>
都道府県の行政書士会に入会すると,さまざまな業務研修があります。その中でも役所の担当者が講師の研修会は,最新の情報入手が期待できます。積極的に参加しましょう。行政書士で,たとえば,「建設業ならT先生」「産業廃棄物ならY先生」という“専門家の中の専門家”が講師を務める研修会があります。私もこのような研修会は今でも参加しています。研修会を通じて「これは!」という先生を見つけてアドバイザーにしましょう。
(3) パートナーを確保する
パートナーとは一つの業務を遂行するうえで必要な他士業の者のことである。パートナーは業際の観点からも重要な存在である。建設業業務を完遂するには,広い専門知識が要求される。パートナーの協力が必要となる場合もある。頼りがいがあるパートナーを同業者に紹介してもらうなどして確保しておくこと。

森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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