契約書作成マニュアル

(2)契約とは何か


契約とは、「契約当事者の権利義務を定めるもの」であり「要件と効果」を定めるものです。

①「権利」と「義務」について、
契約上の「権利」とは、相手方に対し、ある行為を「しなさい」「してはならない」と裁判所に求めることが出来る権能です。

また、契約上の「義務」とは、相手方からある行為を「しなさい」「してはならない」と判所から求められてしまう負担を指します。

「権利」と「義務」は表裏の関係にありますので、一方が有利になれば他方が不利になります。そのため、契約書交渉においては、その条項がどちらにどう有利に、どちらがどう不利なのかを意識することが大事になります。

(例)
「甲(本社)は乙に対し、以下に定める報州を20XX年3月末までに支払わなければならない」という条項案において、
◆甲(本社)は、乙に対し報酬を支払わなければならない(「義務」がある)。
◆乙は甲(本社)に対し、報州の支払を求めることができる「権利がある)。
上記条項案を「甲(本社)は乙に対し、以下に定める報州を2008年5月末までに支払わなければならない」と修正する場合、支払までの期間が延長されるので、甲(本社)に有利・乙に不利となります。

②「要件」と「効果」について
契約においては、「どのような場合(要件)」に、「どのような権利義務(効果)」が生じるか、という形で取引条件を文章にします。

(例)
・乙は甲(本社)に対し、以下に定める条件のもとに、この秘密情報を開示する。
→この場合、「以下に定める条件のもとに」が要件で、要件が満たされた場合に、乙は効果である「この秘密情報を開示する」義務を負うことになります。

契約書においては、きちんと要件を定めないと契約上の効果が発生しているかどうかが不明確になってしまいます。(その場合、相手方が義務を履行しないときに履行するように請求しても、そもそも義務が生じていないと反摘されてしまう可能性が高まります。)そのため、契約書において、どのような場合に、どのような権利義務が生じるようになっているか、しっかりと確認し、適切な内容・文言に調整することが大切です。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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