英文契約書の解説

英文契約書の知識 その4


(2) 書式の準備
国際取引の条件交渉において、自らに有利な条件を勝ち取るためには、まず、自社に有利な契約書案を相手方に素早く送りつけることが、有効な作戦ということができます。

海外の相手方の多くは、自社に有利な様々な契約書の「書式」(フォーム)を常備して、速やかに送付することができるようにしています。その書式は、契約類型(売買契約、販売店契約等)、相手方の種類(製造業者、販売店等)、及び地域(日本、アメリカ合衆国等)等に応じた多種多様なものであるのです。

したがって、日本の当事者も、国際取引を行う場合の自らに有利な英文契約書の書式を日ごろから準備して、交渉開始の際に、即時に相手方に自社の企図する取引条件が反映された契約書案を送付することができるようにしておくことが、この交渉を対等、有利に進める第一歩であるということができます。

(3) 変更履歴(Microsoft® WordB)機能の活用
近時、国際取引の交渉においては、電子メールにより、当事者間や当事者双方の弁護士の間で、契約書案をマイクロソフト社のワードで作成して、その電子データをやり取りすることが通常の方法となってきました。

そこで、ぜひ、活用していただきたいのが、マイクロソフト社のワードの「変更履歴」機能や「文書比較」機能です。

まず、「変更履歴」は、当事者双方の「加筆」「削除」及び「コメント」を、その作成者と箇所を色分けして表示する便利な機能です。契約書案について誰がいつどのような変更をどこに施したかを把握することができれば、国際取引の交渉において、複数回、複雑な条件交渉をしても混乱することなく進めることができるのです。

また、文書比較機能を利用すれば、先方が変更履歴を故意に消して、契約書案を提示していないか等も確認することができます。

このような便利な機能は、ぜひ活用するべきですが、同時に、相手方に知られたくない、当方の社内各部署担当員や顧問弁護士による変更歴やコメントをデータとして残したまま、先方に契約書修正案の電子データを送信してしまうことがないよう慎重な取扱いが必要です。

また、そもそも、やり取りする電子データには、パスワードをかけておくなど、セキュリティにも配慮しなければなりません。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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