英文契約書の解説

英文契約書の知識 その2


(2) 英文契約書の特徴
英文契約書は、英文で記述してあるばかりか、「長く、具体的で細かく、分厚い」のが一般的です。
それに対して、日本国内取引で用いられる日本語での契約書は、「そう長いものではなく、そう詳しくなく、漠然とした条項も見受けられ、協議条項がある」ことが多いのではないでしょうか。
このような違いが現れるのは、まず、コモンロー(判例法主義)を継受する英米法は、日本法と比較して、取引法の分野において成文法(例えば、民法や商法等)で定められている範囲が狭いことから、当事者間の取引に関してその契約書に記載しておくべき範囲が広くなり、条項も多くなるということを理由の一つとして掲げることができると考えられます。
もう一つは、外国人と日本人の契約についての考え方の違いに由来します。外国人は、知らない相手(例えば、取引実績がない、紹介者のない相手等)も取引の相手方候補として、広く受け入れ、多くの候補の中から、条件ちろん、交渉の過程で、相手方への一定の信頼を持つことができたからこい相手方との取引について、合意した取引条件を証するための契約書は、合意の内容を出来るだけ細かく具体的に記述するとともに、
相手方と契約書に、定めた条文の解釈が異なったり、相手方が契約違反をすることや、更には初争が発生することをも想定して、これらをどのように解決するかについても、あらかじめ、細かく具体的な条項を合意して定めておくべきであるという考え方に基づいて作成することになります。
そこで、英文契約書は、「長く、細かく、具体的で、分厚い」ものとならざるを得ないわけです。一方、日本人は「ムラ社会」において、取引の相手方としても、信頼できる相手(取引の実績がある、紹介者がある相手等)を選ぶことが多いので、一貫して、相手方への信頼が基礎にあり、何かあれば、当事者間の協議で解決できるであろうという期待を持っていますので、契約書は、一応、合意内容を書面にしておくといった形だけのものとして捉える傾向があります。
そこで、日本国内取引の契約書は「そう長いものではなく、そう詳しくなく、漠然とした条項も見受けられ、協議条項がある」契約書が多いのです。

森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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