遺言、相続に強くなる!

ケース8  借金の存在を子どもたちに伝えていない


●債務も相続の対象になる
人が亡くなると、すべての財産が相続人に引き継がれます。そこには不動産や預貯金などプラスの財産だけでなく、住宅ローンや知人からの借金などマイナスの財産(債務)も含まれます。

●相続放棄や限定承認もできるが
もし、プラスの財産よりマイナスの財産のほうが大きい場合は、相続人が家庭裁判所に「相続放棄」の申し立てをしたり、プラスの財産の範囲でマイナスの財産を相続する「限定承認」の申し立てができます。

相続放棄や限定承認は、原則として相続発生を知ってから3か月以内に行わなければなりません。もし、その期間内に相続人が遺産を自分のために使ってしまったりすると「単純承認」とみなされて、相続放棄や限定承認ができなくるので要注意です。

相続人に高額な借金の存在を知らせないまま亡くなると、期間内に相続放棄などの手続きができず、知らない間に借金を背負うことになりかねないので、必ず遺言書に書くようにしましょう。

なお、死亡時には返済不要になる生命保険の特約が付いている住宅ローンについては、遺言書に記載しなくても問題ありません。

●誰が借金を返すかは指定できない
注意したいのは、たとえ「長男に債務を相続させる」と遺言した場合でも、法律上は効力がなく、二男も法定相続分の割合で返済義務があることです。ただ、長男だけが債務者になることを債権者(お金を貸した側)が認めた場合、話は別です。

なお、特定の子どもに全財産を相続させると遺言した場合、債務もすべてその子どもが承継すると解釈するのが妥当であるとした判例があります(平成21年3月24日 最高裁第三小法廷判決)。

「文例]
[付言事項]
実は、私は平成30年1月1日、友人の山田太郎さん(住所省略) に 1000万円を借りて趣味の○○を買ってしまった。毎月10万円ずつ〇〇銀行から振り込んで返済しているが、もし私が死んだときに残債務がある場合は、私の財産から返済してほしい。もしお金が足りない場合は、悪いが2人で力を合わせて支払ってほしい。よろしく頼みます。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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