遺言、相続に強くなる!

ケース5 財産のほとんどはマイホーム。どうやって分ければいい?


●実は遺産が少ないほどトラブルになりやすい?
よく、「うちはお金がないから遺言書は必要ない」という人がいます。が、これは大きな間違いです。実際には、お金がない家庭ほど相続トラブルに巻き込まれやすいということもできるのです。

平成30年度司法統計によると、家庭裁判所に持ち込まれた遺産相続トラブルの約7割が遺産5,000万円以下で、うち約3割が1,000万円下のケースでした。つまり、古いマイホームや数百万円程度の預貯金があるだけで、裁判所に持ち込まれるほどのトラブルになるのです。

この理由はいろいろと考えられますが、遺産が少ないからこそ、自分の取り分は確実にほしい相続人が多いのかもしれません。また、資産家であれば弁護士や税理士に依頼して相続対策を立てられますが、そうでない場合は対策を立てない傾向があるのも理由の1つでしょう。

同じデータによると、遺産相続トラブルの約8割が、分割しにくい不動産を含んでいます。マイホーム以外に目立った財産がない家庭は、すでに「争族」予備軍といえるのではないでしょうか。

自宅以外にほとんど財産がない場合の解決法不動産の相続方法には、以下の3つの方法があります。

①特定の人が不動産を相続する(現物分割)
②特定の人が相続し、他の人にお金を支払う(代償分割)
③不動産を売却し、そのお金を分ける(換価分割)

話し合いがまとまらない場合は、全員で不動産を共有する方法もあります。しかし、まだ相続発生前で将来、所有する不動産をどのように相続させたいか希望があるなら、遺言書を作るべきでしょう。

「文例]
・遺言者は、遺言者の所有する以下の不動産を、遺言者の長女田中友美(昭和40年10月25日生)に相続させる。
(不動産の記載は省略)

・遺言者は、遺言者の有する以下の預貯金を、長男○○、二男〇〇、三男○○に3分の1ずつ相続させる。
(預貯金の記載は省略)

One Point 死亡保険金で遺留分の請求に備える
このケースでは、母親が長女に自宅を相続させるように遺言した場合、預貯金の額が少ないので、将来、長女が他の3人から遺留分を請求される可能性があります。長女が自分の預貯金から払える場合はいいのですが、そうでない場合は、長女が親の死亡保険金を受け取れるようにして、そこから遺留分を支払うようにすることが考えられます。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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