遺言、相続に強くなる!

ケース2 仲が良くても、法定相続分どおりでも、遺言書を作る意義はある


○両親が亡くなると、子どもたちの抑えがきかなくなる
片親が亡くなった場合の相続を「一次相続」といい、その後、残された親が亡くなった場合の相続を「二次相続」といいます。親子仲がよければ、一次相続でもめることはそうありません。たとえ子どもたちが不満を抱いても、残された親が抑えることができるからです。

しかし、二次相続ではそうもいきません。すでに両親がいないため、子どもたちが不満を抱くと、そのまま相続争いに直結してしまいます。

たとえ兄弟姉妹は仲がよくても、配偶者や子ども、親戚が口を出すことがあるので、油断はできません。将来も仲よくしてほしいのなら、遺言書を残すのが親のつとめではないでしょうか。

●普段の力関係が遺産分けに反映される
仮に、親がこれまでの子どもたちとの関係をよく考慮したうえで、「きょうだい平等に相続させよう」と決めたとします。この場合、「法定相続分どおりに相続させるんだから、遺言書なんていらないだろう」と思う人がいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

もし遺言書がなければ、発言力のある人が自分に有利になるように主張して、他の人は法定相続分さえ確保できない可能性があるからです。

もっとも、遺言書があっても、相続人全員が合意すれば遺言書を無視した遺産分けをすることも可能です。力関係で優位に立つ長男が二男に合意を強要することのないように、二男を遺言執行者(遺言を執行
する人)に指定して、相続発生後すみやかに遺言を執行できるようにするといいでしょう。

●なるべく財産ごとに相続させたほうが安心
子どもたちに法定相続分どおりに相続させる場合、つい「全財産を2分の1ずつ相続させる」などと書きたくなりますが、財産が預貯金だけならともかく、不動産など分割しにくい財産がある場合、このように書くのは望ましくありません。不動産を複数の相続人が共有すると、将来、売却や賃貸をする際に相続人全員が合意できずに困ることがあるからです。なるべく個別の財産ごとに相続させたほうが安心です。例として、預貯金を2分の1ずつ相続させる場合の文例は下記のようになります。

【文例】
遺言者は、遺言者の有するすべての預貯金を、長男の〇〇及び二男の○○に2分の1ずつ相続させる。 遺言執行者として、二男の○○を指定する。

もし、どうしても全財産を半分ずつ相続させたいという場合は、次の文例のように記載します。不動産を売却し、必要な経費を支払ったうえで換価金を分けるなど手続きが難しくなり、時間もかかるため、あらかじめ弁護士などの専門家を遺言執行者として指定したほうが効率的に進められます。

【文例】
遺言者は、遺言者の所有するすべての財産を換価換金処分のうえ、葬式費用等の諸費用を差し引いた残額を、長男の○○及び二男の○○に2分の1ずつ相続させる。

 


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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