『会社設立のポイント』

【コラム】会長、社長、専務と代表取締役は何が違うか


名刺に「取締役社長」「専務取締役」「取締役会長」といった記載があるのを見かけます。こういった取締役を「役付取締役」といったりしますが、会長や社長、専務、常務といった肩書きは正式な会社法上の用語ではないので、登記をすることはできません。

また、こうした肩書きつきの役職を置くかどうかは会社の自由です。肩書・役職を定める場合、社内の周知を目的として定款にその旨を記載している場合もありますが、単なる社内の内部規定でもかまいません。

一般的に「社長」は会社を実質的に指揮するリーダー、「専務」は社長をサポートする参謀役、「常務」は会社の日常的な業務を担当する社長の補佐役、といったイメージで使われます。「会長」は会社の実質的なトップという場合もありますが、先代の社長が引退後、相談役のような名誉職として残っている場合もあります。

肩書きの中に、「代表取締役」という記載があれば代表権があることがわかりますが、会長や専務といった記載だけでは代表権があるかどうかは判断できませんし、取締役(役員)であるかどうかもわかりません。これらを確認するためには、登記のチェックが必要です。

また同様に、「部長」や「課長」などの肩書も会社法上の用語ではないので登記することはできません。会社法でいう役員(取締役、監査役など)に該当しないので、何十人もの従業員がいる会社でもなければ、通常は、部長・課長などの器についてまでは定款に記載せず、会社内部の規定で決めれば十分です。

これらの肩書きについては、自社のものについては、「契約を結ぶ権限がない社員が勝手に契約を結んできて、相手に履行を迫られる」というトラブルを防ぐこと、相手方のものについては、「契約を結ぶ権限がない人と契約を締結してしまい、相手の会社が契約の履行を拒否してきた」というトラブルを防ぐことができます。大事な契約の際には、名刺だけでなく、相手の会社の登記内容をチェックして、本当に会社を代表する権限がある人かどうか確認することも重要です。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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