遺言、相続に強くなる!

⑨親不孝な子どもに財産をあげたくない


●ひどい暴力・暴言がある子どもは相続人から廃除できる場合がある
普段から親に対する暴言や暴力がひどかったり、借金の肩代わりをさせるような子どもがいる場合は、将来、遺産をあげたくないと思っても無理はありません。しかし、遺言書に、「この子に財産を相続させない」と書いても効力はなく、また、「他の相続人に全財産を相続させる」と書いても、子どもには遺留分を請求する権利があるため、あまり意味がありません。

このような子どもについては、将来、自分の相続人でなくならせるように、推定相続人から廃除するように遺言することが可能です。廃除されるとその旨が戸籍謄本に記載され、遺留分も含め、遺産をもらう権利が一切なくなります(ただし、廃除された人の相続人が代わりに相続する権利を取得します)。

廃除をするためには、生前のうちに家庭裁判所に申し立てるか、遺言によって行います。生前に申し立てると相手の反撃が怖いという場合は、遺言書で相続人から廃除するように希望しましょう。

●将来、遺言執行者が家庭裁判所で申し立てをする
ただし、廃除は必ず認められるわけではありません。相続発生後に遺言執行者が家庭裁判所に申し立て、証拠などから、廃除がやむをえないと裁判所に認めてもらう必要があります。

なお、廃除ができるのは遺留分がある人だけなので、兄弟姉妹や甥姪を廃除することはできません。彼らに財産をあげたくない場合は、全財産を別の人に遺贈すればいいのです。

[文例]
・遺言者は、次の通り遺言する。
遺言者の長男田中一郎(平成〇年〇月〇日生)は、父親である遺言者に15年間にわたり毎日罵詈雑言をあびせ、暴力を振るい、借金を肩代わりさせるなどの虐待や非行を繰り返してきたため、遺言者は長男田中一郎を推定相続人から廃除する。

・遺言者は、次の者を遺言執行者に指定する。
職業○○、氏名00、住所OO、平成○年○月○日生

●将来、家庭裁判所に廃除を申し立てる必要があるため、遺言執行者は弁護士を指定すると安心です。遺言書の文面や、廃除のためにどのような証拠が必要かについても相談できます。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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