遺言、相続に強くなる!

⑧事業を後継者に継がせたい


●遺言書がないと、個人経営のお店は閉店の危機に!?
会社組織にせず、個人名義で事業を行っている場合、遺言書を作る必要性はきわめて高いといえます。もし遺言書がなければ、家族だけでなく、取引先も困ったことになる可能性があるからです。

前述したように、ある人が亡くなったことが金融機関に伝わると、いったん預貯金口座が凍結され、相続人全員の合意がなければお金を引き出せなくなります(法改正により一部は引き出せます。)。

預貯金の相続手続きには、準備期間も含めて2か月程度かかるので、その間に従業員の給与や取引先への支払い、家族の生活費などの支払いに支障を来たすかもしれません。スムーズに相続手続きができなければ、最悪、廃業の危機に陥る可能性があります。

また、店舗や工場が亡くなった父親の名義になっていた場合、後継者である子どもがすべて相続しようと思っても、他の相続人に代償金を支払えなければ売却せざるを得なくなるかもしれません。親の死後も事業を存続させたいのであれば、必ず遺言書を作るようにしてください。

●株式会社の場合は、後継者に株式を相続させる必要がある
株式会社にしている場合は、経営者の死後、株式が分散しないように、後継者に集中して相続させる必要があります。経営者が、会社に対してお金や不動産を貸している場合は、そのことも遺言書に書きましょう。
また、付言事項で、「後継者が長女であること」や、「他の相続人に協力してほしいこと」などを他の相続人に伝えるといいでしょう。

[文例]
・遺言者は、遺言者が所有する以下の不動産を長女斉藤美保(平成○年○月○日生)に相続させる。(以下略)
・遺言者は、遺言者が所有する○○株式会社(本店所在地〇〇)の株式のすべてを、遺言者の長女斉藤美保(平成○年○月○日生)に相続させる。(以下略)

●事業承継は多額の税金が課される可能性があるため、早めに税理士と連携して対策する必要がありま
す。事業承継に反対する相続人がいる場合は、弁護士に依頼して相続トラブルへの対策を立てましょう。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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