遺言、相続に強くなる!

⑦賃貸物件をどう相続させる?


●共有ではなく単独で相続させるのが原則
親の死後、アパートなど賃貸用の不動産を子どもたちに共有させると、将来、仲がわるくなったときに大規模修繕や売却などが難しくなるため、単独で相続させるのが原則です。

現在は子どもたちの仲がよくても、将来そのうちの誰かが亡くなると相続人が増え、全員が合意することが難しくなるため、やはり共有させるのは避けるべきです。

アパートが複数ある場合は、なるべく1棟ずつ相続させ、評価額の差額は預貯金などの金融資産でバランスを取るのがいいでしょう。あまり金融資産がない場合は、特定の子どもが死亡保険金を受け取り、他の兄弟姉妹に支払うようにしたり、場合によっては、不動産を売却して分けるように遺言することも考えられます。

●信託にすれば将来、親が認知症になっても安心
このケースでも家族間での民事信託の利用が考えられます。親が元気なうちに、アパートといくらかの金融資産をしっかり者の子どもに信託して、管理・運用してもらうのです。

親が生きている間は親が賃料を受け取り、親の死後は、兄弟が平等に賃料を受け取れるようにすればいいでしょう(家族間での民事信託)。将来、長男・二男が亡くなったら孫がアパートを承継するなど、柔軟な設計が可能です。また、受託者となる子どもが報酬を受け取ることもできます。

●家族間で信託契約を結んだ場合の遺言書
信託しなかった財産を誰に相続させるかを遺言書で指定します。それほど金額が大きくない場合は、単独で相続させてもいいでしょう。

[文例]
遺言者は、すでに信託した財産を除く一切の財産を長男鈴木一郎 (平成○年○月○日生)に相続させる。
⇒信託しなかった財産をそのまま全部長男に相続させる場合

●信託に詳しい弁護士は限られているので、事前に確認をしてください。不動産を信託する場合は登記が必要ですし、信託の方法によっては贈与税などがかかるため、司法書士や税理士への相談も必要です。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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