遺言、相続に強くなる!

⑥障がいのある子ども


●障がいのある子どもにたくさん相続させる必要性は高くない
子どもに障がいがあると、つい、将来その子にたくさん財産を相続させたいと願うのが親心です。しかし、障がいのある人を支援する制度は少なくないため、実際には生活するのにそれほどお金はかからないことが多いのではないでしょうか。

また、親がたくさん財産を残しても、障がいの内容によっては自分自身でうまく使えなかったり、誰かにだま
されたりして財産を失うおそれもあります。

また、親が障がいのある子どもにたくさん財産を相続させるように置言した場合、兄弟姉妹が不満を抱いて世話をしなくなるおそれもあります。将来兄弟姉妹に面倒を見てほしいのなら、なるべく平等に相続させたほうが安心でしょう。

●財産を「信託」するのもひとつの方法
障がいのある子どもの面倒を見ることを条件に、兄弟姉妹に財産多めに相続させることも考えられますが、前述したように、負担付き贈与はあまりあてになりません。

もし、親に多額の財産がある場合は、信託銀行の商品である「遺言代用信託」を利用すれば、死後、定期的に一定額を障がいのある子どもに渡してもらうことが可能です。

あまり財産がない場合は、生命保険の死亡保険金を少しずつ受け取れる「生命保険信託」の利用も考えられます。

信頼できる親族がいる場合は、親が元気なうちに財産を信託して管理してもらい、親の死後、障がいのある子どもに毎月一定額を渡してもらう方法も検討してはいかがでしょう。障がいはないものの、家にひきこもりの子どもがいて、将来、兄弟姉妹に支援してもらいたいような場合にも利用できます。

●家族間で信託契約を結んだ場合には遺言書も必要
このケースで親が二男と信託契約を結んだ場合、信託しなかった財産を誰に相続させるかを遺言書で指定する必要があります。

[文例]
・遺言者は、すでに信託した財産を除く一切の財産を換価換金処分して、長男及び二男に2分の1ずつ相続させる。

●家族間での民事信託は、契約内容が複雑で数十年間という長期にわたることや、専用の預金口座の開設が難しいことなどから、弁護士などの専門家に依頼する必要があります。受託者となる親族がきちんと財産管理するか不安な場合は、弁護士に監督してもらうことも可能です。


森井 啓之

代表 行政書士

森井 啓之

東京大学法学部を卒業後、大手金融機関に入社。法務部で、民法改正への対応、リーマン・ブラザーズの破産管財人との英語での激しい交渉を経て莫大な債権回収(詳細は守秘義務)に成功。また、個人融資における遺言・相続業務など幅広い経験を積んで参りました。皆様に、迅速かつ丁寧で最高の法務サービスをご提供させて頂ければ幸いです。

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